表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

日常生活も、はじまりました。

朝のニュースを見ながらトーストを食べていると

「そういえば今日お兄ちゃんの学校に転校生が来るんだよね?

こんな変な時期に来るなんて変わってるって中学でも話題だよー。」

といいことを言い出した。

「そうだった!こうしちゃ居れん学校にいくぞ!」

「待ってお兄ちゃん!私を置いてパンツにTシャツで学校行かないで!」

焦りすぎて着替えも忘れていた。

なぜ忘れていたのかわからないくらいのビックイベントだ。

この街は別に田舎ではないがうちの学校は転校生がなかなか来ない。

それに高校で転校生も珍しいんじゃないだろうか。

それに今日は七月一日!どんなタイミングだよ!と

まだ見ぬ謎の転校生にワクワクしていたのだ。

今日の寝不足もそれが原因のところがあった。はず。

だが忘れていた。なぜだ俺。

歯を磨きトイレを済ませ、鞄に筆箱を入れて家を出た。

歩いていると後ろから妹が走ってきてタックルしてきた。痛いぞこら。

「なんであんなに頼んだのに置いていくのおにいちゃん!」

怒っているから頬が赤くなっている。いや元からかもしれない。

「兄は待ったぞ妹よ。

しかしなかなか来ないから仕方なく出たのだ。

ほんとは一緒にいきたくて仕方なかった。許してくれ。」

わかりやすい冗談だったのだが妹は本気にしたようだ。

嬉しそうにしている。

えへへとか言っちゃってる。

結局置いていかれたことには気づいていないらしい。

バス停に着くとすぐにバスが来た。学校はここから4つ行ったところだ。

自転車でいけば20分もかからないくらいだが

夏は暑いので外よりは涼しいバスで通うことにしている。

いつも通り変わらない窓の外の風景だが

今日はやっぱりワクワクしている。

転校生は美少女だろうか?

それとも美少女だろうか?

もしくは美幼女だろうか。

そんなことをひたすら考えていると

頬をつねられた。そんなに顔に出てたか?

最寄りのバス停で降りるとすぐに学校に着く。

妹はここの中等部だ。

この学校はいわゆる中高一貫。

だから妹は受験勉強もせずに

だらだら遊んでいられる。

しかしながら試験もあるにはある。

だからそれすらも落ちて進学できないんじゃないかと心配だ。

高校はもちろん内部進学者が多く俺もそのうちの一人だ。

だから高校の中でも転校生が珍しい。

すぐに学校の中に入ろうとすると腕を引っ張られた。

妹だ。いつも別れ際になでなでを要求してくる。

これをしないと妹は泣き叫び駄々をこねる。小学生かと思う。

いや小学生でもなかなかないんじゃないだろうか。

仕方ないから撫でてやる。

こんなところを他の生徒に

見られ続けるのは物凄く苦痛だ。

「またあとでね!おにいちゃん!」

妹は今日も元気そうだ。

さて教室に向かうかと下駄箱へ向くと背後から強烈な視線を感じる。

華恋だ。見ないでもわかった。

すごく殺気を感じるもの。こわい。

気づかないフリをしてそのまま下駄箱へ向かう。

殺気が後ろをついてきた。

ダッシュで教室へ向かうと殺気もダッシュでついてきた!

キャーッ!

全速力で教室につくといつもは重役出勤のケンも既に居て

クラスの大体が揃っていた。

やっぱ考えることは一緒だなーと思った。

窓際一番後ろの席に座ると

隣のケンがいつも通り声をかけてきた。

「おーっ風雅、お前まではやいなんて珍しいな!」

「お前が言うなお前が」

「いやーやっぱ気になるっしょ転校生。

さっきから俺らその話してたんだけど

修人なんか気になりまくりでずっとそわそわしてんだぜ?

笑えるよなー」

どうやら図星のようだった。が、修人が弁解する。

「ちがわい。ただ可愛い子だったらドキドキしちゃうだろ?

だから今のうちに少しでもドキドキを減らしておこうとしてるだけだ。わかるだろ?な?亜希

すると亜希は冷静に返した。

「んーまぁそうかもしれませんね。でも美少年かもしれないし浮かれない方がいいんじゃないですか?」

ケンもそれが心配なようで

「まー美少年だったら頑張りますわ!」

何をだよ。と突っ込んだのは修人だけだった。

亜希は少し気まずそうにしていたが

なにかに気づいたようにこちらを見て

「おはようございます華恋ちゃん。

今日も可愛いですね。」

と言った。

恐る恐るゆーっくり天上を見る感じで後ろを見ると

逆さまになった華恋の顔があった。

「・・・ご機嫌麗しゅう華恋さん。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ