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夏休み(嘘)、はじまりました。

眠い。眠い。猛烈に眠い。

当たり前だ、鳥が鳴き出すまで電話していたのだ。

切るタイミングを失って、いや奪われて

朝まで話続けてしまった。

あいつがトイレに行っていなければ

今の今まで起きていたかもしれない。危ない危ない。

時計の針は7を指している。

暑くて起きてしまったが、まだまだ起きるには早い時間だ。

今は夏休み、当然いくら寝ててもいいのだ。

窓を閉めて枕元に置いてあったリモコンでエアコンの電源を入れると

すぐに冷たい風が流れてきた。気持ちがいい。

少し汗をかいたのでシャワーを浴びたい気持ちもある。

しかしながらなにより今は眠い。

やはり寝ることにした。

再び横になり目を閉じると寝不足による頭痛が和らいだ。

“すぐに眠れるなこれは。”

そう思った矢先、ドアの外からダダダダダッと

階段を駆け上がる足音がした。

次の瞬間ダーンッと開け放たれたドア。

勢いがよすぎて跳ね返ってきたドアが

開け放ったアホに勢いよくぶつかった。

「あうっ、うー痛いー死んじゃうよおにいちゃ~ん」

「梓がアホだからだろ」

「バカだったら妹が死んでもいいの!?

てかバカじゃないよ!!」

「はぁ」思わずため息が出る。

バカとは言ってないぞと言わなかったのは

どうせ自分がバカと言ったのかアホと言ったのか

覚えていないだろうと思ったからだ。

この実にアホな、もといバカな人物は

恥ずかしながら俺の妹の梓だ。

今は中学三年生

もうすぐ高校生のはずなのに

一般的な中3と違い

受験勉強もせずだらだらしている。

妹いわく

「高校には勉強しなくてもいける!だから遊びたいんだよ!

私の中学生活はまだ終わらないよー!」とのことだ。

まぁ妹が高校にいけなかったら兄としては心配だが

本人がこれなのであれこれ言うのはやめた。

それはそうと妹のドアホ事件のせいで忘れかけていたが

俺は今寝たかったのだ。

いまだに痛がっている妹を無視して横になる。

「なんで可愛い妹を無視して寝ようとしてるのお兄ちゃん!」

妹がトンチンカンなことを言ってくる。

「なんでってお前、ホントにバカになっちゃったのか?

世は夏休みだぞ?全国の学生諸君はお昼過ぎまで寝るのが義務だろう?」

すると妹は言ってはならないことを言い放った。


「お兄ちゃん、まだ夏休みじゃないよ。七月一日だよ。」


悲劇だ。頭の中の自分が崖から落ちていく。あああー。

「おまえ、言ってならないことを。見てはいけない現実もあるんだぞ。

とにかく俺の中では今日から夏休みなんだ。

今日は学校には行かん!」

たとえ家にいることで

掃除やらお使いやら洗濯やらをさせられたとしても

行きたくないのであるからして。

行きたくなさすぎて語尾が変わってしまった。

これからこれで生活しようか、なんて心にもないことを考えていると

「とにかく学校には行ってもらうからね!」

「妹よ、なんでそんなに兄を学校へ行かせたがるんだ?」

「なんでってお兄ちゃんと一緒に登校したいからじゃん。」

「いい加減ひとりで行ってくれよ、兄は周りの目が痛いんだぞ?

特に華恋が叩くんだよ。」

「そんなことしりませーん。おにいちゃんがきっぱりと振らなかったからでしょ!

もう朝ごはんできてるんだからはやく降りてきてよね!」

そう言い終えるとダッシュで階段を降りていってしまった。

学校には行きたくないが

少しお腹が空いてきたので

朝ごはんはいただくことにした。


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