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第96話 みんなにげろ、早く

「タナカ無事」

「イリア、と言うかみんなも」

「すいませんタナカさんいてもたってもいられなくて」

「そうそうそれに」

「俺が案内してくれるように頼んだ」

 アルフ達とササキ、それにイリアのおばあちゃんも合流しかなりの大人数だ。

「ん、お前、まさか、ササキか久しぶりだな」

 ドワーフの長っぽい人がササキを見て驚いたかのように話しかけている。

「えっと、うぅん、あっ、ああ、あの時のあのあの」

「あなたヤーコブさんよ、たしか」

「ヤーコブか久しぶりだな」

「はっはっはっそんなに覚えずらいか、でそっちはイリヤか」

「おひさしぶりですヤーコブさん」

「べっぴんさんになったもんだはっはっはっ、それにしても100年ぶりか」

「たぶんそれくらいじゃないか」

「なら名前くらい忘れちまうのは仕方ないか」

 塹壕のなかで談笑が始まる、何となくだが止めるに止めづらい。

「しっかし勇者だったお前が、その名誉を剥奪される噂を聞いたときは驚いたが本当だったのか」

「それが本当だから笑っちまうよな、そのせいで今は人里離れてくれしてるよ」

「優雅なもんだ、だが100年もたってるつうのにお前はなにも変わってねえな」

「まあ勇者だからな色々あるんだよ」

「そんで、何で優雅に生活していたお前がこんなところに来てるんだ」

「そりゃあ孫の身を案じてだな」

「はぁお前に孫、いるわけねえだろう」

「ここにいるよ」

 ササキはイリアを指差す。

「そいつが…………どことなくだが似ているような」

「似ているだろう、孫だぞ孫似ないわけないだろう」

「だがなぁお前だしなぁ」

「俺だからなんなんだよ」

 2人の事は置いとくとして、合流したアルフ達に話を聞く。

「それであの化け物に傷与えたんだろう、すげえよな」

「いや自分じゃないけどな」

「けどまだ倒れる様子はないわね」

 上を見ると龍が自分を探しているかのように巡回している。正直に言うと落ち着かない。

「それはそうとタナカさん達にも食事です」

 そう言ってパンを渡される。

「手が空いたやつから食べてるみたいだったな」

「なら食べるか、リズなにか飲み物ない」

「いえそれが」

「ないか」

 走りに走った為か、今さらになり喉の乾きを感じている。

「それならこれを飲め」

 マイヤーが小瓶にはいった液体を渡してくる。

「ありがとう」

 マイヤーから渡されたものは前回はただの苦い水だったので少し警戒するが他に飲むものがないために飲む。ただの水だ。そんな感じで簡単に腹を満たした頃、ササキ達の話が決着がつく。

「あれおとしたら信じてくれるんだろう」

「やれるもんならやってみやがれよ」

「ああやってやるとも」

 ササキは長い銃、たしかアンチマテリアルライフルを構える。狙いをすぐに定めたかと思うと、撃つ。

「よっしゃあ命中、どうだこれで」

 ササキは陽気にそう言っているが誰も聞いちゃいない、撃たれたと思われる龍が落ちてくるのだ、こっちに。

「みんなにげろ、早く」

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