第77話 それではお気をつけくださいませ
「ううっまだ口の中が変だ」
「タナカどうした」
「二日酔いの薬で」
「ポーショ、ああなるほど」
全員が集まっていた。ユキもいるが彼女にはスライムが1体ついていて通訳している。
「さてとこれからどうする」
「自分達はマイヤーと一緒に行く予定なんだ」
「なら俺たちは戻るぞ、家荒れたまんまだし」
「すまない」
「謝るより早く物を送ってくれよ」
「分かってる町に戻り次第すぐに手配させるよ」
「まあそんくらいはかかるか」
『へー本当に町持ってるんだ、一緒に行っていい』
『当たり前だ、お前の部屋も用意させてる』
『へー早く行きたいな』
『すいません、ユキ様それは不可能です』
『何でよ』
『まだ経過観察中です』
『それならこの、サポーターにさせればいいじゃない』
そういうとユキの腕が銀色に変化する。例の鎧をまとっているようだ。
『それでは観察を行えても治療を行うことができません』
『そうなんだ』
『なあいいかユキ、後タナカもかその銀色のはなんなんだ』
『近未来の防弾チョッキ的な』
『テレビで一緒にみた軍隊用の強化スーツだったかに近い物みたいだよ』
『そうなのか』
『正確には違いますがそのような認識で構いません』
「タナカ何について話してるの」
「ユキはここに残るしかないみたいだよ」
「そうなんですか」
『なら私はここに残るから迎えに来てねお兄ちゃん、後タナカ』
『何でこいつまで』
『まあまあ』
ユキがここに残ることとササキ達がササキ達の家に戻ることが決まる。3人とは一旦お別れだ。
「イリア少し話があるんだが」
「何よ」
イリアがササキに呼ばれている。
『タナカ様少しよろしいですか』
『いいけど』
スライムに呼ばれ、別の部屋に行くようなので声をかける。
「ちょっと行ってくる」
「………行ってらっしゃい」
スライムに連れられて部屋をでてついていく。といってもとなりの部屋に向かっただけだったのだが。
「タナカ様、前に差し上げたのは」
「……あっ」
「大丈夫です、今は情報収集を行わせています。そしてそれの情報により、より戦闘用の装備を差し上げることに決まりましたので動かないでください」
「そっかありがとう」
そういうとすぐに2体のスライムに包まれそうになったので目をつぶる。少し違和感があったのだがすぐになくなる。目を開くと体が銀色であったがすぐにもとの状態に戻る
「戦闘用の装備です、前に説明しましたAHP弾を200発装備して鎮静剤自動注入システムを完備した仕様です」
「鎮静剤って」
「依存性のかなり低いものをしようしているので、安全です」
「で使い方は」
「前のと同じで出したいものを意識してください」
前に出した円柱を意識する。するとすぐにそれが現れる。
「それで問題ありません、また完全とは言い切れませんがNBC仕様ですがこちらは過信しないでください」
「えっとNBCって」
「反応兵器、生物兵器、化学兵器です」
「異世界でそんな言葉を聞かされるなんて」
「また火には装備自体は強いですが、こちらも過信しないようにしてください」
「そっかありがとう」
「いえ、それではお気をつけくださいませ」




