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第73話 そんな話より飲もうぜ

 リズの食事を食べる、パンと野菜のスープだ。前に食べていたのと同じなのでなんだか安心する。

「タナカさん怪我の方は」

「全く痛くないから大丈夫」

「それならすごいなあれ、あんなに痛そうだったのにもう治ってるのかよ」

「それならポーションだって」

「いやポーションだって限界はあるよ、んであれは無理だ」

「そうなのか」

「………けどもっと効果が強いハイポーションなら治るかも」

「そんなのもあるのか」

「効果が強い分値段も半端なく高いけどな」

「それさあ自作するとか出来ないの」

「………出来るけどポーション買うより高い」

「そうなのか」

「………材料を買い占められてて値段がつり上がってる」

「自分で集めるとかは」

「………必要量がなかなか集まらない、大抵は育ててる人が市場に売ってる」

「なら育てれば」

「………管理が大変だから」

「なるほど、独占されてるのか」

 そんな話をしているとマイヤー達がやって来る。

「なあ私達も食べていいか」

「いや別にいいですが、普通の冒険者が食べるような物ですよ」

「構わないさ、食べられれば何でもいい」

『タナカ私も』

「リズこっちにも1つ」

「分かりましたタナカさん」

「俺達にも貰えないか」

 ササキ達も来て全員揃う。

「しっかしタナカお前よくこんな所制圧したな」

「いや別になんかしたわけじゃないし、なんと言うか魔力がない変わりにここが使えるようになったと言うか」

「それこそチートなんじゃないか」

「自分ひとりじゃ火も起こせないのに」

 そう言って火を起こす道具を見る。この世界では魔術で火を起こすので魔力がない自分には火すら起こせない。

「それは」

「けどタナカには私達がいるじゃない」

「イリアの言うことはそうなんだけど、普通にできることぐらい普通にしたいじゃん」

 そんな話をしていると、ササキがどこからともなく酒を出す。

「そんな話よりも飲もうぜ」

「お、いいね」

「アルフだっけ、いけるくち」

「おう、タナカよりは余裕で飲むぜ」

「そう言って酔いつぶれてるのは誰だよ」

「ならこの酒は絶品だ、100年前に作られて今は作られてない品ばっかりだしな」

「なっ、それマジかよ」

「売ればかなりの値段だが、気にしねぇぜ」

「なら私もそれなりの酒を」

「なあ普通の飲み物もないのか、エレナが飲むものないんだが」

「ならそれも」

『私も飲もうかな』

『ユキお前はダメだ未成年だろ』

『何よもう』

「ならリズなんかつまみになりそうなものを」

「分かりましたタナカさん」

 リズが料理を作ったところに向かう。その間にお酒が振る舞われる。リズが干し肉と野菜をスティック状にしたものを持ってきたときは瓶がもう何本か空になっていた。

「おおつまみだ」

「いえーい」

 アルフとササキはもう出来上がっている。

「あのタナカさんこんなものしかできませんでしたがよろしかったですかね」

「いいんじゃないかな、リズも飲めば」

「いえ私は」

「………リズも飲もう」

 リズの手にコップを持たせ、お酒をつぐ。

「あの私は」

「まあまあ」

『なら私も』

『だからお前はダメだ』

『ちぇ』

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