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第71話 ない、ないんだけどさ

 ササキ達は別室に案内され、自分達は医務室とかかれた部屋に案内される。そこにはベッドが半円のプラスチックのようなものでおおわれて、様々な機械が繋がっている、いかにもな物が多くあった。

「これは」

「メディカルベッドです」

 そしてその1つに近づくと、プラスチック一部が開き、ユキを横たわらせた。

『これは』

『落ち着いてくださいユキ様、これより治療を開始します』

 その言葉と共に開閉部が閉じ、中にガスのようなものが流される。ユキは一瞬驚いていたのだが、そのガスが顔にかかって、すぐに動くのやめた。

「あのガスは」

「あれは麻酔です」

「タナカさん麻酔って」

「えっと痛み止かな、眠らせて痛みを感じなくさせるって物」

「そうですか、眠り薬みたいなものですか」

「うんそれが強力になった感じだと思う」

 そんな話をしていると、何やら水のようなものが流し込まれている。

「タナカ様あれは生体ナノマシンを含んだ、生理食塩水です」

「生体ナノマシン」

「タンパク質を主に体内に存在する物質で作られた、ナノマシンであり、体内に吸収されるため、治療などを中心とし使用されています」

 すごく便利な品が出てきた。

「ですが長期の使用はできず、保存も困難なためにメディカルベッドでの使用しかできません」

「なあそれよくわからないんだが、どんな怪我でも治せるんだろう」

「ええどのような怪我でも病気でも、治療可能です」

「ならタナカも治療してもらえばいいんじゃないか」

「最初からそのつもりです、タナカ様こちらに横になられてください」

 恐怖もあったが、こんなSFみたいな機械を実際に体験できると言う楽しみがあり、ためらわず横になる。

『目をつぶってください』

 頭の辺りから声がする。その声の通りに目をつぶると顔に何かがかかり意識が遠くなってい。

「…………ナカタナカ」

「うっうう、ん」

 イリアの顔が目の前にある。目をつぶりすぐに目を覚ました感じだ。

「起きたら」

「ああ」

 イリアが退き体をおこす。

「ん」

 体を起こした時、何も痛みを感じない。ベッドから降り立ち上がっても痛みはない。

「タナカ痛みは」

「ない、ないんだけどさ」

 さっきまで痛みを感じていたのに急に痛みがなくなってしまったためか、変な違和感を感じる。

「どうかしたの」

「まぁ何でもないや、でユキの方は」

「もうそろそろ終わるみたいよ」

「そっか」

 そう言いながら体を伸ばす、だんだんとスッキリしてくる。

「ふぅ」

 体を伸ばしたことによるためか、違和感がだんだんと薄れ落ち着いてくる。そんなことをしていくと謎のアラーム音がして、ユキのベッドが開く。治療が終わったようだ。起こそうかと近寄ると、ユキは目を覚まし、周囲を見渡す。そこにどこからか現れたスライムが一体近寄る。

『何が起こったのよ』

『ユキ様治療が終了しました、2、3日経過観察を行い治療は終了です』

『治ったの』

『ええ、すべてのガン細胞を死滅させ』

『末期だったのよ』

『ですからすべてのガン細胞を』

『末期のがんが治るわけないじゃない』

『ええですので経過か』

『嘘よ、嘘よ、嘘よ』

 そう言ってユキは医務室を飛び出した。

「タナカユキを追うわよ」

「分かってるよ」

 そう言って痛みがなくなったからだで駆け出す。

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