第67話 癌か
ユキをベッドに寝せる。
「でタナカ彼女なんかの病気なのか」
「らしいけどそれしか聞いてないんだよ、けど血を吐く位だから結構重いはず」
「だな」
「タオル持ってきました」
リズ達が戻ってくる。
「………それで」
「ひとまず体拭いてあげてくれない、部屋から出てくからさ」
「わかりました」
「後アルフ運んでくれない、結構限界なんだ」
「わかったよ」
アルフに背負われ部屋からでる。
「おいおいタナカ方がヤバくないか」
「血は吐いてないから大丈夫だと思いたい」
「思いたいだけかよ」
「仕方ないだろう、ポーションとか使えないし」
「だよな」
「第一一瞬で治るとかスゴすぎだろう」
「当たり前にありすぎて何とも思わないけどな」
「だよなぁ」
そこにエレナが戻ってくる。その手には小瓶が。
「ああポーション持ってきてくれたのか」
「持ってたんだ」
「そりゃあだれでも1、2本は持ち歩くさ」
「便利だよな」
エレナが持ってきたポーションは2本ある。そしてそのうちの1本を自分に渡してくる。
「ありがとう、けど効果無いからさ2本とも中に持ってって彼女に飲ませてくれる」
少し考え頷くと1本だけ残して部屋に入っていった。
「いや気持ちはすごく嬉しいんだけど、自分にとってはただの味がする水でしかないからなぁ」
「まぁ気持ち受け取って飲んどけばいい、もしかしたら効果でるかもしれないし」
「まあそれもそうか」
蓋を開け飲む。微かに味がついた水であり前に飲んだときと比べ変化はない。
「なあこれ飲んで治るとどんな感じなんだ」
「なんと言うかな、痛みが抜けて体の中から力が出てくるような感じだな」
「ならそんな感じしないから効果ないな」
「タナカさん体を拭き終わりましたので入ってよろしいですよ、それと」
「それと」
「ポーションですが効果がありませんでした」
「そうか」
またアルフに背負われ部屋に入る。
「彼女も魔力を持ってないのか」
「………使用したポーションの効き目がかなり薄いのかも」
「薄いって」
「………安物だから仕方ない」
「また安物か」
「タナカ高級でなんでも効く1本より安価ですべてには効かない物何本か持ってた方が何かと使えて便利だぞ」
「まあわかるんだけど、1本くらい高いのあったってよかったんじゃ」
「それは、そうなんだが」
『うっ…………うっう………』
『大丈夫ですか』
『ええよくあるから』
『それでなんの病気か聞いても』
『癌よ、それも致命的なところまで進行してるの』
『癌か』
『うん、それに打つ手なしって言われてる』
「タナカさん癌って」
「かなり危ない病気、治療するにはその部分を取り除くのが一番早いってことになってたような」
一応薬もあるのだがそんな薬は持っていないしこの世界にもないだらうからいっても意味がない。
『タナカ少し休めばよくなるからどんな冒険してきたか聞かせてくれる』




