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第64話 終わるまで待とう

 ササキに案内され、地下に向かう。体は痛いが我慢する。エレナも一緒だ。

「それにしても臭いな」

「お前の奥さんが作った物なんだが」

「知ってるよ、俺も使ってたし。だけど慣れないなこれ」

「使ってならなれろよ」

「慣れられるかこんな臭い、なぁ臭いよな」

 エレナは自分の背中に隠れているが頷いている。

「そうなのか、けど話してくれよ」

「仕方ないんだ、彼女話せないみたいだし」

「そうか」

 ササキはじっとエレナを見る。

「みたいだな、バッドステータスに重度の沈黙がある」

「鑑定か」

「ああ、便利だよこんなことにも使えるし」

 かなり便利そうである。

「そうなのか、それで治せるのか」

「無理だな、俺の能力はFPS寄りだから治せても軽度までだ」

「そうか」

 そんな話をしていると地下へと向かうエレベーターに着き、乗る。

「よしじゃあ着くぞ」

 地下へと着く。そこは袋を被せられ手足を椅子に縛られているマイヤーがいた。

「今さらだがエレナは帰った方が」

 エレナは頷くとエレベーターに戻る。残ったのはこの世界の住人ではない3人だけだ。

『さてと俺に何かようかい、マイヤーさんそれとも』

『タカハシ』

『タカハシと呼んだ方がいいかい』

『好きに呼べばいい』

『ならタカハシ俺ん家を壊してくれたんだが一体どうしてくれるんだ』

『チート持ちならチートでどうにかすればいいだろう』

『あのなぁ、チートでどうにかしろってどうしろって言うんだよ』

『チートで国家を襲ったり力を示して雇って貰えばいいだろ』

『どっちももうやってるんだが』

『魔王のお前がか』

『いや元勇者』

『そうかよ、どうでもいい………ん、元勇者だと』

『そう100年前に死んだ勇者』

『なら俺が見つけた召喚陣は』

『あれ俺のチートだから他の人が使うと失敗するよ』

『嘘だ』

『いやいや、妻にも試してもらったけどダメだったさ』

『嘘だ嘘だ嘘だ』

『本当だな』

『なら俺が起こそうとしてる戦争は』

『ムダだな』

『そんなことがあるわけがない、ないんだ』

 その言葉と共にマイヤーの手足を縛ってる紐が切れる、それと同時にどこからともなく剣が現れる。

『ならチート持ちを生け贄にしてやるよ』

 なぜかこちらに切りかかってきた、だが体がボロボロなので避けられるはずがないし、武器も持っていないためどうしようもない。

『死ねー』

 ササキが割り込んでくる。手には小振りのナイフが。目の前で切り合いが始まる。もう自分は茅の外だ。

『いる必要あるのかなぁ』

 無理に動いたので体が痛くなってくる。

「終わるまで待とう」

 そう言いながら這うように隅に移動する。

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