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第60話 何とかなるんだよ

 背中から発射された弾丸と棒により敵は少し怯む、だが。

「くそが」

 そう言って剣を突きたてようとするが、剣が横に飛ぶ。体制が崩れる。その隙を突き横に転がり体制を建て直す。敵も体制を立て直し仕切り直しだ。だが敵は剣を拾えていない、その分有利になったような気がする。

「何で殺そうとするんだよ」

「俺には戦争が必要なんだ」

「それと自分達を殺そうとするのは関係ないだろう」

「お前らは火種だよ、ただの火種だ。ほぼ火がついたなら火種は消してもいいだろう」

「火種って」

「火種は火種だ、お前らが逃げたことを理由に軍を無理矢理送り込み、一方的に要求する。そして渡さないなら、協力者として攻撃し排除する。つまり戦争が必要な俺にとっては火種は邪魔なんだ」

「何で戦争なんか」

「戦争じゃなくてもいい、だが多くの人の死が必要なんだよ」

「何で」

「俺がこの世界に来たのは病気の妹をすべてから救うことだ。その為だけに俺はここまで来たし、これからも同じように進むさ」

「それと戦争が何が関係あるのよ」

「俺の元々の予定では、神との約束で魔王を殺した後で妹をこの世界につれてくることになっていた」

「前払いにしてもらえよ」

「チートと引き換えだから仕方ない、チートがなかったら病気を治す手段を手に入れないだけではなく、生きていく事だって出来なかっただろうよ」

「そうかよ」

「そうさ、だから俺は領主として妹が住みやすい町を作り、どんな病気でも治す伝説のポーションを手に入れた、だが俺は5年前魔王に挑み、負けた。だから俺は他の手段を探した、そして見つけた。100年前の勇者が使っていた召喚陣だ、俺はこれを改良して妹を召喚できるようにしたが、こいつを使うためには人の死が必要だ」

「そんなことの為にか」

「そんなことのためにだと、俺にとっては大事な妹なんだ。そんな妹を助けるためにでかい戦争を起こして何が悪い」

「………それ妹さんあなたのこと嫌いにならない」

「そんなことはどうでもいいんだ、嫌われようが忘れ去られようが妹が俺より長く幸せに生きてくれればいいんだ」

「そうかよ」

「そうだよ、ああタナカ何でこんなに話したかわかるか」

「冥土の土産あたりか」

「正解だ、せっかくだ他に聞きたいことはないか」

「お前のチートはなんだ」

「対策何てたてられないから教えてやろう、俺のチートは武器も含め敵のステータスの1.5倍の力を得ることだ、さてとお前のチートは。まあもうどうでもいいがな」

 いつの間にか剣が手に握られている。

「シネ」

 剣が振り下ろされる。速いため避けることも防ぐこともできそうにない、だから自分は。

「タナカ」

 鎧をはずした。

「タナカーーー」

 左肩に剣が当たる、だがそれは肩に痛みを与えるだけだった。

「チートなんか無くても」

 拳を握りしめ、何が起こっているかわからないマイヤー、いやタカハシの顔面を。

「何とかなるんだよ」

 ぶん殴った。

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