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第56話 みんな好きですよ

 いつの間にか木製の椅子に座らさせられ、両手両足が縛られ動けなくさせられている。目の前にはササキがリボルバーを持ちにらみ続けていて、目を合わせたくなくて辺りを見渡すと地下室に2人だけと言う嫌な事しか分からなかった。

「さてと、俺の孫が結婚したいとか言ってるんだがどうしてなんだ」

「いやどうしてと言われましても」

「あぁっ、じゃあはっきりと聞こう孫を襲ったのか」

「襲ってませんよ」

「何で襲わねぇだよ、孫がかわいくないって言うのかよ」

「かわいくないわけないでしょ」

「ならなんだ、他にいる2人と付き合ってるって言うのかよ」

「付き合ってませんよ」

「ならなんでだよ」

「なんでって言いましても、と言うか襲ったって言ったら」

「頭に鉛玉喰らってみるか」

「どうしろって言うんだよ」

 あのあと、リボルバーを押し付けられ地下室にたった1人で移動させられ、袋を被せられこうなっていた。要するに尋問を受けている、身の安全が確保されないタイプの。

「じゃあ聞き方を変えよう、あの4人の中で誰が一番好きなんだ、あぁっ」

 そう聞かれるとすごく悩む、何だかんだで冒険してきて助け合ったり、同じ経験をした仲だ。仲がいいとは答えられるが、誰が好きかと聞かれるとそんなこと考えたこともないからわからないが自分の中では正解である。

「だんまりか、痛みでも与えられないと答えられないか」

「みんな好きですよ」

「そんな答え望んでないだよ」

 リボルバーを上に向け撃つ。そしてその銃口を太ももに押し付ける。だが防具を着てるので全く熱くない。

「はっきりと答えろ、それともあれかあのアルフとか言う男が好きなのか」

「いやそれは」

「それにしても何でだよ、何で結婚したいなんて」

 この世界での結婚は命の価値が低いので急ぐ傾向があるのであまり気にしていないのだが、ササキが深刻そうに遠くを眺めているのを見て何か重大な間違いをしてるような気がしてくる。

「何でこんな弱そうなやつと一緒に生きたいって言うんだよ」

「弱そうな奴って」

「お前がなんも言うんじゃねぇよ」

 ササキがこちらを振り向く、それと同時に手首の流体金属鎧を刃物状に変化させ腕を縛っているロープを切り、そのままササキに向ける。

「そんなもん仕込んでたのかよ」

「なんと言うか成り行きで」

 そんなことを話ながら足でも同じことをして自由の身になる。

「だが俺の方が一枚上手だな、背中にC4を設置してる」

「嘘っ」

 C4と言うのはプラスチック爆弾、爆発させられれば確実に死ぬ。

「と言うかこの距離で爆発したら」

「そう言って抵抗してきたやつがいるんだが、先にいっておこう俺はチート持ちだ」

 つまりこんな状態でも自分だけは助かる見込みはあるのだろう、両手をあげ投降の意を示し、椅子に座り直す。と言うか何で仲間の家に来てこんな目に遭っているのだろうかと今更ながらに思う。

「よしよし素直なやつは」

「おじいちゃん」

 助けがきた。

「何でこんなことしてるのよ」

「いやそれはお前の事を思ってだな」

「何で2回しか会ったことなくて、その1回目も命がけで戦っただけなのに心配されないといけないのよ」

「そ、それはだな」

「まだ私の事もよく知らないのに、ほっといてよ」

 ササキがうなだれる。

「……なんだよ、ほぼ初対面な状態で孫にあったのに、婚約者がいるわ、孫には嫌われるわ、本当になんだよ」

「それに、まだ結婚するって決まった訳じゃないわよ」

「えっ」

「ただ私が告白したってだけよ」

「いやそれでも」

 親子げんか始まったようだ、そこにメリベルが来る。

「………タナカ大丈夫」

「まだ大丈夫」

「………ならよかった、食事に戻ろう」

「うん、そうだね」

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