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第53話 ならこいつか

 轟音がやむとそこには、多くの死体と1台の車、そして1人の青年とそれより年上のお姉さん、そして1台の止まっている壊れかけの馬車があった。

「おう久しぶり、なんだお前らも罪擦り付けられて追われてんのか」

「あなた直接言い過ぎよ」

「悪い悪いこう言ったことは久々でさ、ほら俺魔王だったし」

「あなたそれは」

「大丈夫大丈夫、こいつら俺を倒した勇者、いや村人だっけ、まあなんでもいいや。まあそんな感じで俺魔王だって知ってるし」

 魔王と聞いた瞬間エレナはイリアのかげに隠れている。

「やっぱり魔王だと受けが悪いか、じゃあ100年前の勇者って言うのは」

「……それだと、ただの人が100年生きてることにならないか」

「それもそうだな」

「それで、その助けていただきありがとうございます」

「いやたまたま通りかかっただけだし」

 ここはたまたまで通るところではない気もするが気にしないでおく。

「それでイリアちゃんその怪我はどうしたの」

「これはその」

「まさかこいつかこいつがやったのか」

 こちらにS1と呼ばれている軽機関銃を押し付ける。

「タナカは関係ないわ」

「ならこいつか」

 アルフに同じことをする。よく見ると銃の安全装置が外れていておらず、本気ではないようだ。

「違うわ、これはその冒険中につけた傷で。って今は関係ないでしょ、何でおばあちゃんがここにいるの」

「それはね、ササキさんがイリアちゃん達がこっちに来てるって言ったから、早く会いたくて急いできたからよ」

「ならあれは何」

 イリアは車を指す。

「あれは俺の愛車のハンヴィー改だな、色々いじってあるからかなり早いし堅いぞ」

「そんなことは聞いてない、なんなのよあれは」

「なんだタナカはこの手の物ももらってないのか」

「チート関連は一切ないから」

「なるほど、まあなんと言うか馬が要らない馬車だな」

「………すごい」

「それにあれだけの魔術食らったのに何ともなってないな」

「まあ色々といじってるからな」

 エレナも興味があるようなのだが、怖くて近づけないようだ。

「で、イリアちゃんその子は」

「この子はその、冒険中に助けてどこにも行く宛がないから、つれてたのよ」

「そうなの、私てっきり子供かと」

「そんなわけないわよ」

 あっちにすごく混ざりにくそうで、こっちはこっちで車の説明会をしている。だから暇なのでマガジンに弾を込める。

「タナカさん、手伝います」

「いやいいよ、どうせ暇なだったし、暇じゃなくてもやらなくちゃいけないことだったし。リズも好きな方に混ざれば」

「いえ私はタナカさんと」

「そうなら、前みたく」

「分かってますタナカさん」

「ならのんびりやろうか」

 どうせここまで騒いだなら一緒だし、すぐにでも騎士が飛んでくるだろう。だからそれまでの間時間が潰せればいいのだ。そう思いながら弾を込めていく。

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