第51話 狙えそうなら攻撃開始
「で追いかけてくるとしたらなんだろうか」
「犯罪者狩りかはたまた騎士団だろ」
「どっちにしろ捕まったら終わりか」
「ああだが騎士団なら逃げるしかない、攻撃したら凶悪犯だ」
「タナカさん向こうの方が速いです、追い付かれます」
S2を構え、マガジンを差し込む。
「リズも手を貸してくれ」
「分かってます」
「………なら2人とも後ろに隠れて」
「メリベルは道案内をしてた方が」
「………大丈夫このまま真っ直ぐ行けばいい」
「分かった」
メリベルの後ろに隠れる、自分が左側リズが右側を担当する。
「タナカさん構えにくそうですが」
「大丈夫、一応は練習してたから……命中率はよくないけど」
「私もいつでも魔術使えるわ、だから前から来るのは何とかするわ」
「了解、でアルフは」
「俺は飛び乗ってきたのをどうにかするさ、ついでにグレネードを投げてやるよ」
「乗ってくるのかな、エレナできる限り飛ばしてくら」
エレナはうなずく。これでできる限りの準備は整った。あとは追いかけてくるのを待つだけだ。安全装置をはずしトリガーに指をかけておく。
「来るなら来てみろ」
「タナカさん来ました」
かなり遠いし木が邪魔しているのだが、何となく見える。
「敵はなに」
「騎士では無いみたいです」
「よく見えるな、狙えそうなら攻撃開始」
ちらちらとしか見えないので、まだトリガーを引かないのだがリズはもう引いている。
「早っ」
「大丈夫です当たってます」
「まあなんでもいいんだけど」
「タナカも撃てば」
「当てる自信ないの、1発1発金かかってるから無駄撃ちできないし」
「そんなこと言っても死んだら意味ないだろ」
「…だよな」
狙いを定めトリガーを引く、勿体無いから単発だ。当たったかはわからないが効果はあったと信じたい。そして撃ち続ける。
「ああ、くそ、狙いづらい」
「タナカさん大丈夫ですか」
「大丈夫大丈夫」
トリガーを引くが弾がでない、弾が切れたようだ。
「リロード、ちゃんとカウントしとかないと」
空になったマガジンを外し、鞄から新しいのをとりだし差し込む。
「タナカさんリロードって」
「弾を交換するとき言うの、そのときは撃てないから仲間に知らせないと」
「なるほど」
「そう言えば数は」
「あまり変わってる様子はないです、後段々と近付いて来てます」
「後どれくらい」
「まだ時間はあるはずです、リロード」
「了解」
リズに距離を聞いたが段々と見えてきている、だから当たるようになっているのだが、数が多く減っている気がしない。だが遠距離武器がないのか何も飛んでこないのは助かっている。
「アルフグレネード」
「分かった」
アルフがグレネードを投げ、爆発が起こる。
「敵が接近してる、リズ撃ちまくれ」
「わかりました」
単発から連射に切り替える、敵は馬に乗っている山賊のような奴らだ。




