5話 嫌な噂過ぎるよそれ
食料込み色々込みで依頼を受けた為に即座に弾やら装備などを買い込み、彼が操る馬車で村まで移動すらことになった。馬車の荷台に5人で収まる感じで座っている。村までは約5日程だ、それまでずっと同じ姿勢で馬車に揺られていく。
「そう言えば」
「はい、なんですか」
「きな臭いっていったけどなんだ」
「いえ、魔王軍が活動しなくなったのか騎士団が戻ってきましたよね」
「みたいだな、そのせいで仕事減ったし」
「その仕事が減ったのが騎士団内でも起こっているのか、そのクビになる人が多いようで」
「仕事減ったって残党処理とか色々」
「いえ今戻ってきてるのは戦死者の補充のための騎士で、それで仕事がギリギリみたいですべての騎士が戻ってきたら仕事がなくなるみたいですよ。だから前もって数を減らすとか」
騎士団は思ったより多くいそうであった。
「それだけなら」
「それでクビになった騎士が山賊になったり、仕事がなくなった冒険者が犯罪者になったりするんじゃないかって噂です」
「嫌な噂過ぎるよそれ」
「………それで身を守れるように戦闘技術を学ぼうと」
「ならアルフと自分が中心かな」
イリアは魔術師、メリベルは魔術騎士の為どうしても魔術までやる必要があるだろ。そこまで教えられるのか分からない。
「そうなるわね」
「剣と銃か、って銃の使い方は説明できるけど整備できないぞ」
この世界に来るまではサバイバルゲームをやっていたくらいなので、銃の使い方はある程度しか説明できないし、あまり教えることはないからアルフが中心になるだろう。
「けどそれは長期的な危機でしかなくて今私たちを呼ぶ理由にはならないのでは」
「はい、それがそれ以外にも狙われてまして」
「それ以外ってなんだよ」
「奴隷商人です。ここ最近村を襲っては人身売買を行っているようで」
「それこそ騎士団の出番なんじゃ」
「そうなんですけどね、なぜかこの依頼は騎士団もギルドも渋りまして」
「そうなのか」
「騎士団の方は前からなんですがここ最近はギルドの方も、ですから知り合ったあなた方を呼んだのですが」
何故だがこの依頼を受けなければ
ならなければよかったと思う自分が少しずつ顔を見せ始めた。
「それはそうと今日はもうここで夜営しましょう」
「そうだな」
全員が荷台から降り、そして体を伸ばす。
「じゃあ薪でも集めてくるよ」
「私も行くわ」
「じゃあ2人で行きますか」