第47話 なにこれ
また少し待つ。
「そう言えばエレナは」
「タナカさん疲れてるのかまだ起きそうには」
「仕方ないか」
そこに鞘に入った大剣を背負いスライムが戻ってきた。
「タナカ様これをお持ちください」
「いや剣とか使えないんだけど」
「いえ着けていただければ分かります」
「まあいいけどさ」
鞘にはベルトがついているために斜め掛けして背負う、すると背負い触れているところから、なにか冷たいものが広がっていく。
「なに、これ」
「タナカ大丈夫なの」
「いやうっうう、ふぅ何ともないや」
それはすぐに治まる。だが服と肌の間に何か違和感が。ためしに服を脱ぐ。
「タナカ急に、ってなにそれ」
肌が銀色になってしまっていた。
「なにこれ」
「タナカ大丈夫か」
「大丈夫だと思う」
「タナカ様落ち着いてください、それは液体金属使用AI登載可動式アーマーです」
「なにそれ」
「………と言うかエーアイってなに」
「説明します、それは自分で考えて行動するアーマーです。分かりやすく言いますとタナカ様が切られそうになったときは、その部分の装甲が厚くなったり、敵が遠くにいる場合はタナカ様の命令ひとつで射撃行動を起こします」
「すごっ」
「つまり切られにくくなったりする訳か」
「アルフ試してみてくれないか」
「うっしわかった」
左腕を前につき出す、そこに向かってアルフが剣を降りおろ。
「って何だよこれ」
肘の辺りから刃物が飛び出している。
「このように防御いたします」
「人前だと使えないなこれ」
「そのような場合他の方法にて防ぎますので安心してください。またそれだけではなく色を変えることで迷彩になったり他の服を偽装したりも可能です」
「どんなだよこれ」
「そしてAIに関してですが、自分で思考し成長するものとお考えください」
「俺もこれほしいんだけど」
「これは護衛対象であるタナカ様専用であり、タナカ様でも譲渡は不可能です、そして背中の剣ですが偽装用のただの剣です。そちらに関しては譲渡可です」
「ああわかった」
「渡すものはこれだけです」
「ならメリベルいや盾壊れたから1つくれないか」
「それは、そうですねお引き渡しします、同じものでよろしいですか」
「………同じでいい」
「ならすぐにご用意いたします」
これで用意もできたし、行くところも決まったので後はエレナが目覚めるのを待つだけだ。




