第43話 この施設を案内します
名前だけは理解できなかったが他の遺跡であったスライムと同じようなものであるらしかった。
「それではタナカ様以外は一旦拘束させていただきます」
「えっ」
後ろを向くとスライム達に囲まれていた。
「タナカどうする」
「アルフ達の身の安全は」
「抵抗しなければ保証します、それに酷い言い方になりますがあなた方の仲間の1人を治療中ですよ」
「アルフ……悪い捕まってくれ」
「……ああ、それが良さそうだな」
「タナカさんは、どうするんですか」
「ひとまず解放してもらえないか相談してみるよ」
「頼んだわよタナカ」
「任しておいてくれ」
そう言うとスライム達に連れられて外に出ていった。
「タナカ様申し訳ございません、こちらは軍の施設になっておりまして部外者立ち入り禁止なのです」
「それなら最悪でも出るときに解放は」
「ええ、構いませんよ。なにか質問はありませんか」
「軍の施設っていったい、いやその前に何でこの世界の言葉なんて」
「ええこの施設は来るべき戦争に備えて作られたシェルターであるのは知っていますね」
「ああ別の遺跡で聞いた」
「その際民間で作られたのと軍で作られたのがありました。前者は人の保護のために、後者は人の生存権確保のため」
「つまりこの施設は戦闘用ってこと」
「ええそうなります、しかし我々が活動する前に守るべき人が居なくなってしまい、休眠していたのです」
「なら何で攻撃してきたんだ」
「この施設に関してですが50年ほど前この遺跡に繋がる道が作られ、人のような物が襲ってきたので我々は抵抗するために再起動しました。それからは入り口に警戒体制をしき近付くものを寄せ付けないようにしていました」
「つまりはそのせいで攻撃を受けたと」
「そうなります」
「ついでに聞くけどメリベルの盾を貫通したのはなぜ」
「それは私たちの主力弾丸の対装甲対人複合弾、通称AHP弾によるものかと」
「何それ」
「装甲や盾を貫通して中にいる人に多大なダメージを与えるために作られた弾丸です」
「すごいなそれは」
「これぐらいなければ人を守ることができませんので」
「最後になるけど何でこっちの言葉を」
「私達の暗号解読班が言葉の解析を行い判明したものを共有しました」
「なら前にいた、多分民間用の方でしゃべれなかったのはなぜ」
「向こうから多数の情報が送られたことで喋れるようになったのはつい最近です」
「なるほど」
「ならこれよりこの施設を案内します着いてきてください」




