4話 依頼受けます
次の日、またギルドに来ていた、金を稼ぐ必要があるからだ。
「でなんかいい依頼ないか」
「無いですね」
「無いわね」
「………無い」
「そうか」
「それならもういっそダンジョンとかいった方が」
「150Gで準備できるの」
「無理よね」
「はあ、金が欲しい」
「タナカジャイアントラットの依頼が」
「またネズミか」
前回と同じでジャイアントラット討伐の依頼しか受けられそうにない、他にもあることはあるのだが遠かったり難易度が高かったりするのだ。
「なんだよドラゴンの討伐とか普通なのかよこれが」
「普通じゃないわよ、簡単かつ近場の依頼なら冒険者に依頼するより騎士団に依頼した方が早いし安いし確実だからギルドには高難易度の依頼しかないわよ」
「くそなんで騎士団が」
「魔王軍がいなくなったからではないでしょうか」
「そうだよな、それはそうだろうな」
魔王軍がいたときはそちらと戦うために人手が取られていたために騎士団は活動していなかったが、魔王軍がいなくなったからか討伐軍が解散して人手が戻り活動できるようになったのだろう。
「だからギルドがだらけきってるのか」
ギルドにはだらけている人が多かった、仕事がないからだろう。始めてきた時は受け付けに行列ができていたのだが今はもうそれもない。時折、受け付けに並ぶ人たちがいるのだが雰囲気が百戦錬磨な冒険者と言うわけで参考になりそうもない。そしてそれより少数で受け付けに並ぶ普通の人がいるのだが、それを確認すると即座にその人に群がり、即解散するか、誰かが契約するかですぐに帰ってしまう。そこにまた1人の人が現れた。その人にもまた冒険者が群がるが、即座に解散する。つまり高難易度の依頼なのだろう、自分達には関係ない。
「あっいた」
その人が近づいてくる。
「お久しぶりです皆さん」
そう声をかけられるのだが分からない。
「えっと、誰でしたっけ」
「マイケルですよマイケル、ほらあの教団に襲われた村の」
「えっと、………ああ思い出したでなにかご用ですか」
「………タナカ誰」
「ああメリベルはいないときだっけ、村が襲われるかも知れないから守ってくれって依頼してくれた依頼人。で今回のご用は」
「はいあのときのお礼もかねまして、簡単な護衛依頼をお願いしようかと」
「依頼」
やっと仕事にありつけそうである。
「それで依頼内容はまた20日程度村を守って貰いたいのです」
「なるほど何から」
「と言うのは建前で最近きな臭くなってきたので戦い方を教えてもらいたく」
「なるほど、教師役か」
「はいそうです」
「みんなそれでいいか」
「いいぜ」
「いいですよ」
「いいわよ」
「………いいよ」
「というわけで依頼内容は」
「護衛です」
「食事とかは」
「こちらから出しますよ」
「依頼受けます」