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第30話 タナカ無事なの

 撃たれた衝撃が大きく、立ってはいられなかったので、メリベルに支えられ外に出る。後のことは任せてしまってもいいだろう。

「………タナカごめん、守れなかった」

「いやいいよ別に、あれは仕方なかったし、悪いのは飛び出した自分だし」

「………それでも」

「本当に気にしないでくれ、いてて」

 当たったところがアザになっていそうな感じがする、ただ本当に防弾チョッキを着ているところにだけ当たってくれて助かった。

「………大丈夫」

「ああ、大丈夫、大丈夫」

 階段までたどり着くと、そこには死体やら捕まっている男達やら助けられている人達などがいた。

「おい、タナカどうした」

「アルフか」

「………タナカが撃たれた」

「撃たれた、って別に元気そうじゃないか」

「まあ、防弾チョッキに当たっただけだし」

「そうか、けどまあ診てもらうか。ちょっと待ってろよ」

 アルフが誰かを呼びに離れていく。

「………タナカ、傷みようか」

「一応しといた方がいいか、そこら辺座らせてくれない」

 あまり汚れていなさそうな床に座らされる。

「………タナカ上脱いで」

「ああ」

 鞄チョッキを外し、上着を脱ぐ。自分で診ても血は出ていなさそうだ。

「………赤くなってるだけで血は出てない」

 メリベルが赤くなってるところに触れる。

「いてっ」

「………少し強く触れるから痛かったらすぐ言って」

 そう言うとその部分を強く押してくる。痛みしか感じない。そしてそれはすぐに終わった。

「………多分折れてない」

「ならよかった、服着ていい」

「………アルフが戻ってきたら脱ぐんだから脱いでおけば」

「それもそうか」

 脱いでいても極端に寒いわけではないので問題はないが少し恥ずかしい。こんなことになるなら少し鍛えておけばよかったとも少し思う。

「それにしてもアルフ遅いな」

「………多分重症な人の後に捕らえられてた人だと思うからその後になると思う」

「ならまだまだ先か」

「タナカ無事なの」

 イリアだ。

「いや、ちょっと撃たれただけ」

「それって大変なことじゃ、本当なの」

「………けど怪我はしてない」

「そうなの」

 と急にイリアが叫ぶ。

「って何で上脱いでるのよ」

「いや、メリベルに傷の具合診てもらってて」

「そ、そうなの、それにしてもタナカあんまり筋肉ついてないのね」

「ほっといてくれ、自分でもそう思うんだし」

 そこにアルフとリズがやって来る。

「忙しそうだから、リズ連れてきた」

「タナカさん大丈夫ですか」

「大丈夫らしい」

「そうですか、ですけど一応包帯しておきますね」

「お願いできる」

「ええ」

 リズの手によって包帯が巻かれる。そんなに意味はないだろうが、治療を受けたと言う気になり、多少は痛みが収まる。

「おっと忘れるところだった、落ち着いたら話が聞きたいから屋敷に来てくれだとよ」

「なら服着たら行こうか」

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