3話 金が足りない
3話目です
「………お客さん、お客さん、おーきゃーくーさーん」
「えっあっ痛たたた」
頭の痛みによって目を覚ます。
「お客さん覚えてますか」
「えっと何を」
「まあいいかお金」
「えっとまだ払ってなかったっけ」
お酒のせいかまだ頭がはっきりしない。
「ええ2000G程」
「2000Gね2000G、って2000G」
2000Gと言えば円にして20万円である。ぼろい酒屋に入ってこの額はおかしい。
「桁ひとつ間違ってない」
「そんなわけないだろ、あんたら飲みすぎなんだよ。回りを見ろ回りを」
辺りを見渡すと、酒の瓶が大量に転がっている。
「まだ片してないのでこれだけあるんだ他にも多数あるぞ」
「は、ははははは」
顔が青ざめる。払えない、手持ちは150G程だ。
「おはようございますタナカさん、すいません眠りすぎました」
「おはよう、タナカ」
リズとイリアが目を覚ます。
「2人ともおはよう、後金がない」
「金がないって何よ、昨日はちゃんと値段確認しながら飲んだんだから足りないわけないじゃない」
「そうなんだけどさ」
「お客さんがたが店の酒ほぼ全て飲み尽くした為に2000G程の料金になっています」
「だってさ」
2人とも慌てて辺りを見渡すが、酒瓶に変化はない。
「えっ」
「まさかお客さんお金持ってないとか言わないですよね」
「いや、えっとね、それはね」
持ってないとは言えそうにない。
「まあ持ってなくても払う手段あるんですけどね」
「本当に」
「ええ、こちらにサインしていただけば」
書類を見る。金を貸す契約書のようだ、返し方は奴隷に身売りらしい。
「おい、なんだよこれは」
「おお怖い怖い、食い逃げでもしますかなお客さん」
そうなのだ、はっきり言って逃げたら逮捕だろう。
「………おはよう」
「メリベルおはよう」
「………どうしたの」
「金が足りない」
「………そうなの」
そう言うと共にメリベルが剣を抜く。
「………これ騎士になって初めて貰った剣高値で売れるはず」
「すごく大事な品じゃん、そんなの売る必要なんて」
「………別に構わない」
「私は払ってくれれば何でも構わないんですが」
「構えよ気にしろよ、と言うか奴隷にするのってどうするんだよ」
「それは商人を通して」
「商人ですか、ギルドじゃなくて」
一応奴隷ギルドと言うものがあり、リズはそこの奴隷だ。彼女は他の貴族に買われてメイドとして働いていたが、家族に会いたい為に仲間となった。
「それは」
「奴隷ギルドに所属していない商人は犯罪なのですが」
「………っち、犯罪だよ犯罪そこまで気づいたんだ死んで」
武器を取り出そうとする、が遅い。
「貰おうか」
男に剣が、杖が、銃口が向けられる。
「えっ」
男が懐からナイフを取り出そうとしていたのか取り落とす。そして自分やっと銃口を向ける。
「でこの場合どうすればいいんだ」
「………騎士団に引き渡す」
「そうか、なら縛って引き渡すか」
ロープで縛った男を騎士詰め所まで連れていき、引き渡す。
「はいありがとうございました」
「それだけですか」
「はいそうですが」
騎士団に引き渡す、なにか報酬がもらえるかと思いきや何もなかった。
「そうですか」
「ありがとうございました、最近違法な奴隷商人が増えてるので注意してくださいね」
そう言われ騎士詰め所から離れる。
「まあそれはそうとこれからどうする」
「どうするって言われても、特に何も考えつかないな」
「なら私の村に行かない、遠いけど」
「いいかなそれでも」
「………なら私の故郷にも行きたい」
「どっちでもいいんだがリズは」
「私は特には」
「アルフは」
「俺もないな」
「なら、イリアとメリベルの故郷にいくためにお金貯めますか、数日分の食費しかないし」