第26話 お守りのように思っていただければいいですよ
町の中をうろついていたアルフ達を集め、領主の屋敷へと戻る。
「タナカ場所が分かったって」
「ああ、で騎士団的なのと話もつけた」
「なら後はまってればいいんじゃねえのか」
「それが新設部隊だから手を貸してほしいって」
「………それで今から領主の所に行くの」
「その前にリズ見つけないと、そう言えばエレナは」
「宿に残してきたわ、戦闘になるかもしれないし」
「そっちの方がいいな、本当にリズどこ行ったんだが」
鞄を作ってと頼んでいたので宿にいると思ったのだがおらず、一緒にいたイリアに聞いてもどこにいったか知らず行方不明である。
「タナカごめん聞いとけばよかったわ」
「まあ仕方ない、こんなに早くどうにかなるとは思わなかったし」
「本当にリズはどこに行ったんだか、俺みたく分かりやすいところにいてくれよ」
「うんアルフお前は情報を得るためとか抜かして酒場で飲んでるのは予想通りだったよ」
「町の噂はああいうところでだな」
「はいはい、真面目に大通りだったけど歩いて探し回ってたメリベルを見習え」
そんなことを言い合いながら町中を歩く、が見つからない。ギルドも見たが見つからない。ついでに武器屋も。
「あっ、タナカさん」
「えっ、リズ」
武器屋からリズが出てくる。
「あの探してましたか」
「うん、まあ、けどリズこそ何で武器屋なんかに」
「はいこれを作るのに必要なものがありまして」
弾薬ポーチとして使っている肩掛け式の革製鞄を受けとる。それを右肩にたすき掛けする。こうすれば左手でマガジンを取りやすくなる。
「ああ、これのためか」
「はい、ちょうどいい位置に来てよかっです」
胸の中央部分のベルトにナイフを入れておくスペースができており、ナイフが1本入っている。この位置なら左右どちらの手でも抜きやすい。
「けど使えないと思うよ」
「お守りのように思っていただければいいですよ」
「そうか、ありがとう」
「どういたしまして、でこれからどこに」
「今から領主のところに」
「わかりました、行きましょう」
領主の屋敷の部屋に集まる。集まっているのは領主のマイヤーとマリア、男が1人に、自分達5人だ。
「それで今回集まってもらったのは簡単だ、奴隷商人達を襲撃する」
「前も計画したはずだ、だが証拠がない」
「その件に関しては大丈夫だ、協力者兼証言者がいる。マリア作戦を伝えてくれ」
「わかりました、作戦は協力者であるタナカさん達が潜入し証拠となる依頼者を捜索、救助。それの報告を受け次第私達第1部隊は裏からリカルド達第2部隊は表から突入、制圧します」
男はリカルドと言うらしい。
「あの、人数は」
「1部隊50人のため、合計100人です」
「多すぎませんか」
「仕方ありません、このような制圧戦は初のため逐次投入するよりは最大人数を送り込みます」
「他に疑問質問は」
「あの追加の武器弾薬は」
「君が使っているS2の弾なら多数ある持っていきたまえ、他には」
誰もなにも言い出さない。
「誰もなにもないなら解散、即座に襲撃を開始する」




