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第15話 何もなければいいんだけど

 朝目が覚める、よく眠れた為か気分がいい。

「タナカさんおはようございます、食事の準備はできてますよ」

「ああ、ありがとう」

 変わらないメニューの食事を食べ、野営地を片付け移動を再開する、予定では今日つくはずだ。


 特に問題もなく移動する、天気もいいしそこまで暑くないし風が気持ちいいのでよく寝たはずなのに眠くなる。なのでイリアに話しかける。

「そう言えば馬車だとイリアの故郷ってどうやって行くんだ」

「えっと、この村からどんどん東に向かって行けば、って転送陣は」

「そっちの方が早いけど、転送陣使えるのか」

 自分はこの世界の人間ではなく他の世界の人間である。そして転生ではなく転送と言うことなのでこの体は元の世界の体なのだ。だから魔力がない、一切ない。その為に体内の魔力を活性化して回復させるポーションの類いが全く効果がない。だから転送陣とか言う魔力に関わりそうなものは軒並み使えないだろう。

「えっと、……ああそうだったわね」

「だから馬車しか使えそうにないんだよ」

「ならのんびり馬車で向かいましょうか、急ぎの予定もないし」

「だよな、天気もいいから清々しいし、けど依頼こなして、一旦街に戻って彼女達を連れてって準備してからかな」

「けどお祖母ちゃん元気かしら」

「元気じゃない、エルフって長寿なんでしょ」

「ええそうよ、ついでに言えば両親も元気だったわ」

「そうか、会ってみたいな」

「ええ私も会ってもらいたいし」

「まあその前に依頼済ませますか、何もなければいいんだけど」


 そして日が傾き始めた頃やっと村にたどり着く。馬車を止めるとマイケルに声をかけられる。

「タナカさん達は村長の家に向かってください、馬の方は面倒見ときますので」

 そう言われたために村で一番大きな建物である村長の家に向かう。人数は多すぎるが仕方ない。中に入ると村長が出迎えてくれた。

「お久しぶりですタナカさんにアルフさん、リズさん、イリアさんそれに」

「………メリベル」

「私たちは彼らに助けられて別件で話が」

「ああ、そうですか分かりました。先にタナカさんたちの方を済ませますよ」

「ええそれで構いませんよ」

「それでタナカさん警備と、別件の方は」

「あっ聞いているんで大丈夫ですよ」

「そうですかそれはよかった、明日からよろしく頼みますよ。後食事の方はこちらで用意させていただきますが」

「お願いします」

「後泊まっていただく所はここの2階でよろしいですか」

「全然大丈夫です」

「タナカさん方明日からよろしく頼みます、おーい2階を案内してやってくれ」

 そうどこかに声をかけると、村長の奥さんだろうお婆さんが奥から出てくる。

「タナカさん方こちらになりますよ」

 案内されてついていくと、そこにはある程度片付けられたそれなりに広い部屋が。

「少し狭いかもしれないねぇ」

「全然構いませんよ」

 中に全員入ると少し手狭であるが、仕方がないだろう。ついでに言えばベッドもないので荷物の中から寝袋を持ってくる必要もある。

「それじゃ、お食事の時間になったら声をかけますね」

 そう言うとお婆さんは出ていく。

「ならひとまず荷物運んできますか」

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