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第10話 ……ごめんなさい

「さてこいつどうしようか」

「どうするもこうするも引き渡せばいいんじゃないか」

「どこの誰に」

「……なるほど」

 辺りを見渡しても何も無いところだ引き渡す相手がいない。

「つまり見逃すか、殺すかか。と言うかこの場合殺しちゃっていいの」

「いいだろ別に向こうから襲ってきたんだし」

「なら見逃すかあんまり殺したくないんだが」

「また襲ってこないか」

「大丈夫じゃないか、どこぞのメイドにやられる元冒険者なんて誰が必要なんだ」

「そうだな」

「と言うわけで逃げていいよ」

 背中から足を下ろす。

「くっ、くそ覚えておけよ」

 男が足を引きずり逃げていく。残ったのは男の死体が2つと幌付きの馬車、ついでに血の付いたメイドが。

「タナカさん大丈夫ですか」

「大丈夫だけどなんだよあの強さ」

「いえ獣人としての脚力を使っただけです、そんなに強くはないです」

「そうか、まあいいやなら次はあの中か」

 幌付きの馬車を見る、中折単身銃に再装填し直す。アルフとリズが馬車の後ろに回り、その間に自分が立ち銃を構える。アルフ達に合図を出す。そして幌の後ろが開く。

「動くな、あ」

 中には縛られて半裸にされている女性が5人も、その中のまとめやくのような女性からにらまれる。なにか言いたそうだが猿ぐつわをされていて喋れそうにはない。

「タナカさん見ないであげた方が」

「だ、だな」

 目をそらす。

「イリア達を呼んでくるよ」

「お願いします」

 自分達の乗ってきた馬車に戻り、イリア達に声をかける。

「イリアにメリベル、手を貸してくれ」

「何かしたの」

「半裸の女性がいて」

「………見たの」

「……ごめんなさい」

「まあ仕方ないか、そう言えばこの子は」

 イリアにしがみついたまま動く様子はない。

「つれていってもいいんじゃない、マイケルさん悪いね時間かかって」

「いえ仕方ないですよ、こんな事態なら」

 イリア達が幌付きの馬車に向かう。最後に男達の死体に近寄る。アルフが死体の荷物を漁っている。

「タナカもう1人の方頼む」

「分かったよ」

 リズに喉をかっ切られた方のポケットなどを漁る。最初にズボンのポケットを漁るが余り役に立ちそうなものは入ってなさそうだ。次に胸ポケットやら内ポケット。

「とアルフ宝石あったぞ」

 宝石が出てくる。宝石は通貨がわりだ。鑑定してもらい鑑定書と一緒に出せばお金として認められる。だから鑑定書がないか探すのだが。

「鑑定書はないな」

「こっちもだ、と言うか俺が戦ったやつ戦闘要員だったのか金目の物持ってなかったな」

「そうか、ならこいつら道からずらすか」

 さすがに道の真ん中に死体が2つ転がっているのは不味いだろうと道から外れた草むらに投げ捨てる。この作業はすぐにすむ。そこにリズが寄ってくる。

「タナカさん馬車の中の人たちは助けました、後これからの事で話がしたいと」

「わかった今行く」

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