第7話 成長に問題があるのだが
数年間でほとんど基本的なことを覚えて身に着けたのだが・・・、見た目共々完璧な淑女になってしまった。
自分の顔を見ていると正直惚れそう、というかこのままでは『男の娘』になってしまう。
・・・悪くはないが、自分の姿を見ても自分じゃない感じだし、自分と認めたらナルシーになりそう。
勿論、素と淑女は切り替え可能である。
何で淑女なのかあの後聞いてみたのだが、
「そのほうがかわいいし、何より殴られる事が少なくなるからよ」
「・・・でも貴族に売られた後発覚したらどうするのですか?」
「それなら大丈夫よ。数人可愛ければ良いっていう人を知っているから」
「・・・」
と言う会話があった。
今思うと、母様の言葉は冗談っぽかったような気がする。
なぜなら魔法を教わるときに、一度で成功したら母様の目に一瞬宿った暗い光?
それを肯定するかのように魔法を鍛錬するように言われた。
一通り生活で使う魔法を習得して見せた後に言われたのだから、それ以上の鍛錬となるとあいつが教えることを認めていない戦闘用だが、教わっていないのだから命令通りではある。
昔からやっていた某RPGの上位魔法までなら使えるようになったし、他の魔法も結構使えるようになったし、原理魔法は・・・正直卑怯だから、奥の手にしておいて極力属性魔法を使うようにしよう。
使い勝手が悪そうなRPG系属性魔法は流石に改良したから、あとは魔力の底上げのみだ。
そういえばガルムの森でまたやってしまった。
何をやったかというと、とある魔法だ。
思いつきで即実行した「メテオスウォーム」って。
もう某RPGの名前、分かる人には分かるだろう。
言って空から隕石が落ちてくるのが見えた。
隕石ってアレだね、でっかいクレーターができるほどのエネルギー持ってるんだよねって思った瞬間、本気で逃げた。
走りながら使った耐衝撃防音魔法と風による補助魔法でどうにか、生きていた。
危なかったーーーーー。
いやー、森が森じゃなくなってたのはびっくりだ、ほとんど人が入らない森でよかったよかった・・・。
クレーターの中には大量のドロップアイテムがあって、持ち帰るのにも一苦労した。
話題を変えるが、母様にはどうやらNGワードが設定されているようで、その言葉を言おうとすると激痛に見舞われるようで、何度か倒れたり熱が出ることがあった。
その都度あいつに殺意が湧いたのだが、お母様のお世話~は嬉しかった。
最も、一つのことを教わったら十以上のことを学ぶ(知っている)素振りを見せることによって、倒れる頻度は減っていったが、母様の目が正直怖いレベルにまで達する時が出てきた。
それでもあいつの前では一切見せない。
流石の演技力だ。
俺も淑女力を見せつけてやった。
あの時のあいつのニヤケ顔ときたら、キモくてキモくて、苦痛で歪めてやりたかった。
母様も望んでいるのだろう、あいつの死を・・・。ならば俺は・・・。
7歳半になった。
相変わらず身体に男っぽさが出ないから受け入れた。
ガルムの森でも、ガルムの群れを上位魔法一発で倒せるようになったし、この年で母様の魔力総量を超えてしまった。
あいつは魔力を感知できないようだが、不安になるほどの上昇具合だったので、母様が封印の魔法を掛けてくれて、母様と同じ魔力量になった。
何故か自分で自分の魔力を封印することはできないため、封印は他者に行ってもらわなければならない。
それと、あいつが帰ってくることが前日までに分かるようになってしまったので、Xデーは間近に設定してある。
決行前には母様に自分の事を話そうと思っている。
自分の想いも全部含めて・・・。