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魔法と異界と転生者  作者: 遊里
第2章 学校前編
28/29

第26話 壊れたのだが


話が少し長くなったけど分けづらかったのでそのままにしました。

12月31日最後辺りを訂正しました。




 銀獅子はゆっくりとこちらに歩いて来る。

 余裕そうだぜ畜生っ、やればいいんだろ畜生っ、まずは先制!


「フルフレイズ」


 火炎連弾を放ったが、銀獅子は翼を羽ばたかせてかまいたちを放ち、火炎連弾を切り裂いてそのまま俺のところへ。


「うわっとっ」


 かまいたちは操ることはできないらしく直線的だが、でかいっての。


「取り敢えずオイルあーーー」


 目の前の溶岩に油を注ぐところだった。


「魔法をキャンセルして、オイルあーーー」


 よく見たら銀獅子は猫型ロボットの如く・・・よりもかなり分かりやすく地面から数センチ浮いているのが見えた。

 油で滑らせられない・・・イラプション消さなければよかった。

 でも浮いてるし、溶岩噴火とかも簡単に避けそうで使えなさそう。

 ならば広範囲魔法だ!


「グランドダッシャー」


 地面から複数の土槍が突き出して進み、さらに土石流も発生!

 下と上からの同時攻撃だ。

 が、銀獅子に当たる直前、


「グウ、ガアアアアア!」


 咆哮と共に銀獅子に被さろうとした土石流と土槍が掻き消えた。

 見た目はシールドを張っているように見え、こちらの攻撃が通り抜けたら消えた。

 恐らく咆哮で風を纏い、攻撃を吹き飛ばすか消し飛ばすのだろう。

 だが、この開けた場所ならばあの高威力魔法が使える、銀獅子はゆっくりと近づいてくるので対象にもし易いし。


「メテオスォーム!」


 星降る魔法に対し、銀獅子は再度咆哮シールドを張る。

 シールドに触れた場所から塵になっていき、数多の隕石を防いでいる。

 恐らく範囲内を塵にするか消し去る技なのだろう、あれに近づかれたら終わりだ!

 シールド対メテオ耐久レースだと、銀獅子が動けば当てにくくなった俺が不利になりそうなので魔法を止める。

 くっそ、どうしようか、魔法は効かないっぽいし近づけないし・・・。

 銀獅子が『次は俺の番だ』と言わんばかりにこちらを見据えているから、先に近付かせない方が先決だ。


「アンモボール」


 言わずもがな、液体アンモニアのボールである。

 それを銀獅子とその眼前、俺との間に向けて放つ。

 (俺は空気を操って防ぐが)臭いで近付けなくしてやる。

 銀獅子に向けたのはシールドで防がれたが、咆哮シールドが消えた途端、銀獅子は後ろに飛び退いた。

 驚いたのだろう、効いたかな?

 ・・・あー、これはー怒らせたかも、すっごいグルグル唸ってる。

 逃走優先!


「バンブーロード!」


 ネタとか言うなよ。

 地面から竹が沢山にょきにょきっと生えてきた。

 土や岩の壁だと壊されやすそうだが、強靭でしなやかな反発力を持つ竹を舐めるんじゃない。

 さらに竹を生やして相手の視界を遮りつつ、俺の走る前方から竹が退いてくれるよう設定もしてあるのだ。

 ほらっ、咆哮シールドを展開しながら、竹を粉砕して突撃・・・逃げろー!!!!!

 突っ込まれたら死ぬーーー!

 ・・・おっ、銀獅子は俺を見失って真っ直ぐ走っていった。

 そして止まり・・・再びこっちに向かって来た。

 案外避けやすい。


 逃げながら考えるに、恐らく咆哮シールドを張ったら臭いとかで敵を追えなくなるんじゃないか?

 これは、使える!

 銀獅子が止まった所にアンモニアを散布。


「ガアアアアアアアアア」


 さっきよりも一段と大きい咆哮により、大地が銀獅子の周りの竹を地面諸共もろともクレーターのようにえぐれた。

 結構広範囲で危なかった・・・絶対近づかせてやらねえ。

 銀獅子は先程の咆哮で体力を結構消耗したようだ・・・このまま持久戦で消耗させる!

 すぐに竹を補填、自動にしてしまえ。

 銀獅子がシールドではなくかまいたちを全方角に向けて飛ばす・・・も切れた時点でくっ付くし、新しく生えもする、ついでに銀獅子に竹が絡みつくように設定変更だ。

 ははっ、咆哮ばかり使わせて体力を切れさせてからアンモニア地獄だ。


 そう思ったのだが・・・銀獅子は空へと飛んだ。

 そして、上からかまいたち!?

 上空から連発して、竹林を切り裂いていく。

 やばい、竹が斬られる毎に自動再生させてるからか、魔力が急激に減っていく感じがする。

 切り裂く場所は的外れだが、俺が持久戦に持ち込まれたようだ。

 だが無くせば狙い撃ちされるし、反撃は効きそうにないし俺の位置を知られるかもしれないからできない。

 俺から反撃が無いことを理由にかまいたちが一旦は増えた・・・が、いきなり止んだ。

 何だろう?


 っ!?緊急回避ぃーーーーー!!!!!

 銀獅子が放ったのは咆哮砲撃。

 しかも咆哮砲撃が縦横無尽に放たれ、竹を消し飛ばしていく。


 どうにか・・・避けれたー!

 良かった点は、地上で水平に放たれなかったことだろう、されてら終わってた。

 それと、あれだけの力を何度も使えたら誰も勝てなくね?

 憶測は危険だが、もう一度砲撃できない事を祈りたい。


 竹林の再生力が著しく弱まった大地に銀獅子は舞い降りた。

 銀獅子は勝ち誇った顔をしているが、疲労もかなり大きそうである。

 仕方が・・・ないか。


「封印解除」


 正直膨大な魔力があっても使い道がなくて使わなかったのだが、封印したままやられた、なんて嫌だろう。

 祝、初完全解除だ!

 瞬時に俺の中から魔力が溢れ出て来て、一瞬銀獅子が怯んだように見えた。

 ふっ、ここからが本番だあ・・・あ?


「あ・・・あはっ、あはは、あははははははははは・・・」


 やばい、なんだか・・・自制・・・できな・・・


「あはははははははは・・・」


 笑い声と共に次々と1m程の竹が生え、天辺から液体が溢れ出てきて、辺りが甘い香りに包まれる。

 正確には竹がその高さくらいでジエチルエーテルへと、生えながら次々と変換されているのだ。

 ジエチルエーテル(単にエーテルという事が多い)とは、低沸点で揮発しやすい引火性液体、そして甘ったるい匂いがし、意外とその匂いが好きだったりする。

 先程のアンモニアと違って刺激性が無いから銀獅子は咆哮シールドを張っていない。

 あはは、それが命取りなのに。


「あはははは、ファイア」


 炎なんて生易しいものでは無い。

 石油コンビナートのタンクに引火して大爆発って感じ?

 あはははは。

 さらに竹から常に可燃性液体が溢れ出ていて、爆発が・・・止まらない!!!

 勿論、自分には適当に防御魔法とかを使っている。

 適当すぎる?

 あはははは。


「あははっ、フルブレイズ」


 火炎弾が防御魔法の外に出た瞬間・・・爆発してしまったあはははは。


「フレアトーネード」


 辺り一面の炎を銀獅子を中心として竜巻に絡め捕り、巨大な炎柱が出来上がった。


「そしてゴッドブレスあははっ」


 その炎柱を上から一気に圧縮して叩きつけた。


「ガアアアアアアア」


 圧縮し終わる寸前に大きな咆哮シールドによって火が消された。

 銀獅子は所々黒ずんでおり、先程のでかなりダメージを負ったようだ。


「あはははは、嫌な技。そうだぁシールドごとやっちゃおう、フェンリル!」


 広域殲滅魔法フェンリル。

 見た目は四角い透明な箱なので『結』とかやるのをイメージしてもらうと分かりやすいと思うが、魔法自体は別のラノベで、内部を素粒子まで分解する魔法である、だった気がする。

 要はイメージだよあはははは。

 むむっ、大きな咆哮シールドで内側から破壊か?

 ある程度拮抗して魔法が破られた。


「あはっ、フェンリル。今度は十重だよあはははは!」


 再度咆哮シールドを張られ、破られていく。


「いーーーーーーちまい、にーーーーーーーまい、さーんまいよーんまいっ!」


 咆哮砲撃に変えてきた!


「むむむっ、おっ?あはっ!」


 すぐ様目の前に竹を一本生やしてドロップキックし、バネのように反発させて思いっきり後ろに跳んだ。


「あーははー、ギンヌンガガプ」


 超広域殲滅魔法ギンヌンガガプ。

 神話にある巨大で空虚な裂け目のことで、フェンリルと同じラノベにあった消滅魔法だ。

 なんでかまだ覚えている。

 イメージとしては奈落って感じ?で、フェンリルは六畳くらいの小さな部屋から一軒家位までの効果範囲で、こちらは町一つくらいを消し去るフェンリルの上位版だ。

 銀獅子の上から丸い漆黒の闇の塊が降りてきて、瞬時に辺り一面が闇に包まれ、銀獅子を咆哮ごと飲み込んだ。

範囲的に自分が消滅ギリギリだったのは気のせいかな?

 そして・・・終わりが来るのは呆気ないほど早かった。



 俺が壁にぶつかった後、消滅した空間に吹き込む強烈な風が発生した。


「あははー、竹さーん」


足に竹を絡み付かせ、俺が吹き飛ぶのを防いだ。

まあ、その後風が止んで地面に落ちるのは防げなかったが。

そうして一瞬の静寂の後、笑い声が轟いた。


「あははははははは・・・は・・・魔法いろいろキャンセル、そして魔力封印っと・・・お・・・ぐ・・・がああ・・・」


 何てことは無い、銀獅子の存在消滅を感知し、冷静になって自分の魔力を封印したら、打ち身の痛みと激しい魔力消費による頭痛が起こっただけだ。

 倒れてのた打ち回って数刻、ようやく痛みが治まり、仰向けになって空を眺めていた。


「はぁはぁ・・・ふう、全く厄介だったよ。あんな奴どうやって・・・あれっ?どうやって!?」


 体を起こすと、目の前には巨大なクレーターと周りを囲む壁のみ。


「へ?何これ?俺がやったのか?は?どうやって?」


 どうやら頭痛にひたすら耐えていたらなのか、記憶が飛んでしまったようだ。




来週中の更新は厳しそうですが、今月中には第2章を終わらようと思います。





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