第19話 レベルが違い過ぎるのだが
2話同時投稿その2です。
文章内には行き過ぎ変態と微エロ表現が含まれている為、苦手な方は回避して下さい。
それではお楽しみください。
次の日に来賓証を貰えたので、リタさんの訓練の邪魔ということもあり、今日は別行動。
スキン男が俺を見た途端、虚ろな目になるのなら仕方がない。
校舎と寮との間は庭なのだが、今は冬で寒いとあってあまり人がいないくて、一人でぶらぶらしていた。
そこに!
・・・はあー、露出狂が現れた。
コートを羽織った男が1mくらいにまで近付いて来て、パサっとした。
いきなりの事で動けなくなっている俺にさらに飛び掛かって来たので、思わず金的。
蹴る瞬間はっと思い、どうにか圧縮空気を足に纏わせてアレとの接触を回避した。
空気を纏ったのが幸いしてか、俺の蹴りでアレが潰れる事はなかった。
・・・この学校にはまともな人はいないのかなあ。
それからは一人でいるときに何かしらが起こるようになった。
が、落とし穴はフローで回避、痺れ罠は踏み潰し、毒の霧は集めてアイテムボックスへ、飛んできた魔法は威力2倍で弾き返し、変態は蹴り飛ばし、ヤンキーは吹き飛ばし、俺目的で行動する相手を誘導して先に仕掛けたりしていた。
そしてスキン男を簡単にあしらえたし、悪ふざけは全て対処して進めたことから、若干天狗になっていた時だった。
全部正面から突破してやると意気込んでいなければよかった。
彼らはまだまだいい方だった。
奴が現れた。
そいつは最強レベルと言える程の変態・・・シコりながら向かって来たぁぁぁぁ!
魔法で撃退しようとしたが、グレイブは踏み潰され、ウッドバインドは引き千切られ、ストーンウォールは粉砕され、突風でも衰えず、イラプションを走り抜け、油を最終手段でまいた・・・が、フロー+勢いで優雅に宙を舞いつつ飛んで来た。
臨界点を越えていそうなアレの矛先が俺をロックオンしている。
ああ、俺、死んだ。
逃げておけばよかった。
お母様、サリアさん、リタさん今まで・・・。
って諦めてたまるかスパークウェーブ最大、焼き焦げろぉぉぉ!
俺の渾身の雷の波を周囲に発生させたが・・・呆気なく切り裂かれた。
む、無念・・・。
目前に迫った男が空中で止まっている。
死ぬときに動きがゆっくりになるあれか?
そうだ、最期にアレを殴っておこう
圧縮空気を纏っても無力化してきそうだから、纏わず全力でぶっ潰せ!
あ、そうだ、転移魔法って使えるのかなあ。
学移陣みたいに魔法陣が発動してその中なら・・・あそこは魔法が使えないだけか。
畜生っ!
・・・いったいどうしたというんだ。
何故動き出さない。
あれか、走馬灯をまだ見ていないからか?
そして先程から何故かすごく寒い。
あれっ?
俺動ける?
後ろを振り向いたら・・・無表情のリタさん。
まさか、リタさんがこれを?
助かったぁーあ?リタさん何で動かない?
っ!よく見たら魔力が殆ど無くなってる!?
取り敢えず、あのシコ男が見えない所までリタさんを何抱っこかは言わないが運んで、取り出したのはオレンジ色のピンポン玉くらいの柔らかいボール、グミではない。
名前はそのままオレンジボール。
迷宮で手に入れてアナライズした結果、魔力を5%回復するもので、強い負荷や唾液によって膜が破れたり溶けて飲むことができるらしい。
俺には不要だったが、なんて化学的なんだ。
それは置いといて、ペロッと一舐めして膜を弱め、口の中で弱くなった部分を潰して中身を出す。
もう一個。
もう一個を口の中で潰したら、
「んっ、んんっ、あむっ、んっ、んちゅ、んんっ」
へ・・・?はあ!?
「んっ、んちゅ。・・・ご馳走様」
一体、この人、何なんだーーー!
「な、何を「指に付いてるのを舐めただけだよ?」・・・」
異論は受け付けないらしいが、今のはどっからどう見ても指フェ・・・。
なんでこんなに変態が多いの・・・あれっ?
体がへたり込んでしまった。
どうやらあのシコ男とリタさんによって、腰が抜け砕けになってしまったようだ。
銀色くまさんの時は何とも無かったのに。
ってリタさん、俺をお姫様うあ~抱っこうわ~やめて~。
「さっきのお返しだよ?」
・・・意識あったのかよ。
「で、あのルナはどうなった訳?」
「それが、あの女に邪魔されたようです。それまではルナティックが押していて、目前まで迫ることが出来たそうですが」
「それじゃあもう無意味じゃないっ!かなり出来る女の子だったから、彼を押しかければうまくいくと思ったのだけれど」
「彼の特異魔法はあの女の特異魔法には打ち負ける、それ以前に彼女は二度目なので横槍可能ですから」
「全く、忌々しい女だこと」
補足しよう。
ルナティック通称ルナは特異魔法の持ち主である。
その特異魔法は『変態行動時に、対象によるあらゆる攻撃を無効化』するという迷惑極まりない意味不明な変態補助魔法。
ただし初見少女?しか対象にできない。
そして、対象または周りの誰かが泣き出せば瞬時に萎えて逃げるが、一人でいて強気に出たら被害にあってしまう、また、対象以外からの攻撃は倍になるという設定も存在したりする。
新入生は基本、入学後に上級生が数十日間警戒する為被害に合うことはあまり無い。
もっとも、トラウマになる女子生徒はごく僅かに存在したりする。
「貴女は両方の特異魔法を受け「おだまりっ!!!」」
「危険になったら逃げるし、偶に特異魔法で反撃されるし、魔法を使って意識を失ったと思って近づいたら再度使ってくるし。・・・次はどうすればあの少女を離れさせられるかしら」
「彼が失敗したとなると学校内ではもう不可能だと思われます」
「そうねぇ、神日中なら街に出るだろうし、一人で行動する可能性もある。今回は捕まえるだけにしておきなさい。犯されて心が壊れた奴隷なんてもう認めませんわ。あの女はあの少女を甚く気に入っているようだから、わたくしの奴隷にして調教して見せびらかしてさしあげますわ、おーほっほっほっほっほ」
「それと・・・親衛隊の数が減っているとの報告がございますが」
「なんですって!!!」
「あの少女に差し向けた信者達が最初に、それから徐々に抜けているようです」
「わたくしに踏まれ隊ともあろう者たちが、なぜっ!」
「それが・・・除隊した者たちがユウアちゃんに蹴られ隊、ユウアちゃんを見守る会、リタユウ愛好会を発足させたようです」
「きーーーーー!わたくしを差し置いて!すぐに解散させなさいっ」
「それが・・・我々が教育した猛者ばかりですから、難航しております」
「ふっ、あの子を奴隷にした暁には彼らにも見せつけてさしあげますわ、おーほっほっほっほっほ」
俺の知らない所で変態達が騒いでいることなど、俺の知る由もなかった。