第11話 溜息ものな話を聞いたのだが
読んで頂いている方々に感謝です。
前に学校編に入ると書いたのですが、数話挟むことにしました。
今回は若干重めのお話ですが、お楽しみ下さい。
ここはどこだ?
真っ暗な世界、そこで俺は周りを見回した。
あれば母様とあいつ?
瞬時に暗闇がリビングへと映り変わり、あいつが母様を殴り倒して上から伸し掛かった。
「やめろっ」
気付いたら駆け出していて、あいつの背中を短剣で刺していた。
刺したあいつをどけると、息絶えたあいつがいた。
「え?」
そしてさっき刺した人間を見ると・・・
「おかあ、さま?お母様!」
駆け寄ろうとしたが、後ろから誰かに抱きしめられた。
「私を殺して」
後ろからお母様の声。
喋ろうとしたら不意に足を捕まれる。
「うわっ」
上向きで血まみれの母様が手を伸ばして俺の足を掴んでいる。
さらに不意に後ろから強く押されて倒れ込んでしまい、母様の所に倒れ込んでしまう。
俺の顔は母様の腹辺りに落ち、尖根が腹を突き破って伸びてきて、首に絡まった。
目の前にぬーっと母様の顔が現れ、
「「私を殺して」」
多数の手で足や腕を捕まれて引っ張られる。
「「私を殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺し「助けて」て殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺「ありがとう」して殺して殺して殺して殺して・・・・・・」」
酷く気分が悪い。
そう感じながら目が覚めた。
いつもの天井だった。
体が汗でびしょ濡れで気持ちが悪いし、今だに母様の『殺して』という声が響いている。
「そうだ、お母様は?」
魔力を探った所、母様の魔力は感じられなかったが、隣の部屋に村長ともう一人知らない人がいるのが分かった。
汗の水分を操って集めて蒸発さた後、隣の部屋を訪れた。
「あ、どうぞ」
ノックしたら知らない若めの女性の声が返ってきた。
中に入ると、相変わらず青色バーコードな村長と、見た目は12か13歳位で、紺色ショートミニポニー(ミニポニーは後で発見した)、肌は若干焼けた感じの美少女って訳では無いけど可愛い分類には入るような女の子がいた。
「えーと、おはようございます?」
「もう昼過ぎじゃがな。サリア、ご飯を用意してきておくれ」
サリアさんって言うのか。
「余りお腹は減っていないんですが・・・」
「そうは言っても、二日間も寝込んでいたしのう」
「えっ?」
「驚くのも無理はない。取り合えず水を飲みなさい。それから話そうかのう」
そう言って、アイテムボックスから木椀を取り出して魔法で水を注いで渡してくれた。
「ありがとう・・・ございます」
少し飲んでから村長が話し始めてくれた。
「2日前の朝、いつまでもあの男やお前の母を見なかったから、確認の為に様子を見に来たのじゃよ。そして裏庭でお主が倒れているのを見つけて、孫のサリアと共に看病しておったのじゃよ」
サリアさん、何でここで顔が若干赤くなのですか。
あれ?倒れてた?母様は?
「二人とも看病して頂いてありがとうございます、所で・・・母様・・・はどうなったのですか」
「・・・それがあやつ何処にもおらんのじゃよ」
何処にもいない?消えた?まさかあいつが生きてて連れて行った?いや、無い。生きてたら、俺も連れて行って売るか、惨殺でもしそうだ。
「・・・出来れば何があったのか教えて欲しいのだがのう」
人を一人半・・・じゃなくてほぼ殺ししている為少し迷ったが、危ない魔法を抜かして且つ大まかに話した。
「ふむ、話しが本当ならば奴隷であったお主の母は確実に死んでおる、だが・・・。お主が気絶している時に誰かが・・・というのも無いじゃろうし」
そういえば、寝込んでいたのは2日間らしいが、その前は?
「ところで、今日何日ですか」
「クーラの8日ですよ」
答えてくれたのはサリアさん。
「8日・・・、あの日は4日だったから、見つかるまで2日間ずっとあそこに倒れていた・・・ってことですか・・・」
「「・・・」」
少し長い沈黙を破ったのはサリアさん。
「はぁ。わかんないことを悩んでても仕方がないわね、軽いご飯持作ってくるね。少しは食べないと駄目だよ」
そう言って出ていった。
「それで、これからどうするのじゃ?」
少しして村長が切り出した。
どうしようというよりも、今は頭が動かなくて何も考えられない・・・
「ワシの本音としてはのぅ」
急に重々しい雰囲気になった。
「出来る限り早くこの村を・・・出ていくべき、というところじゃな」
重っ!重過ぎる、8歳にも満たない子供の追放って。
「あやつが奴隷であるお主の母を使ってこの村で行って来た非道の数々。勿論お主にもお主の母にも非がないことは分かっておる。そして今お主の存在を知る村人はワシとサリアだけなのは幸いじゃ。なのじゃが・・・」
「実質力を振るった人の子供・・・知ったらこれまでの怨みを少しでも晴らそうとするでしょうねぇ。一人が始めたら雪だるま式に。はぁー。で、知られる前に出て行けってことですね・・・」
「すまんのぅ、雪だるまが何かは知らんがワシにはその怨みは分からんでもない。あやつがサリアに手を出しておったら確実に怨んでいたじゃろうに。最も、サリアはとある貴族の妾となることが決まっていると言ったお陰で手を出されなかっただけで、貴族の下に行くのも嘆かわしいことなのじゃがなぁ、そもそもあの馬鹿息子が・・・何で可愛い孫が・・・サリアは本当に可愛いんじゃぞ・・・お主もサリアほどではないが・・・サリアは・・・お主は子供にしては冷静じゃのう。サリアの数年前は・・・この前なんか・・・ちっちゃい時から・・・」
何か語り出したー。
ってかあいつ少女にまで手を出そうとしてたのかよ。
心底辛そうで、でも、楽しそうに話しているのはわかるが、この人どう止めようか、何て返事しようか、家の事情に口出しすれのも良くないだろうし。
「そ、そういえば、村を出て行って欲しいというお話でしたね。出ていくのは構わないのですが、少しお時間を頂いても宜しいですか?」
どうにか止めることができた。
でも・・・この母様との思い出が詰まった家はどうなるのだろうか、どうすればいいのだろうか。
そして出て行って何処に行けばいいのだろうか。
加えて部屋のドアの前にずっといるサリアさんをどうすればいいのだろうか。
「一季程ならどうにかできるじゃろう。考える事も名残も多いじゃろうし。そうなると食事はどうするかのう」
食事の話題だチャンスですよサリアさん。
サリアさんが食事を持って来てくれました。
何て空気が読める子なんだ、サリアさん。
「そうじゃサリア、一季ほどこの子の面倒を見るのじゃ」
爆弾落とした村長さん。