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魔法と異界と転生者  作者: 遊里
第1章 転生者
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閑話 私の願い・・・1

 私は冒険者だった。

 かなり知名度もあり、いい仲間も居て、恋する相手も居た。

 あの日までは。


 仲間に裏切られ、騙され、私はあいつの奴隷に身を落とした。

 あいつは当てつけに、私の恋する相手であったギルドマスターに一時預けたりもした。


 引き取られた後待っていたのはやはり屈辱の日々。

 あいつの仲間に廻され、その後は、体を売ってあいつの金を稼がされた。

 用意周到で、仲間が助けに来る前に、違う国に移った。



 そんな中、子供が宿った。

 嬉しさと、悲しみ、生まれてくる我が子に対する憐れみが浮かんだ。

 この子には一部の望みは在るのだが・・・


「この子を守る力が私には無い・・・」


 あいつは子供のことを知ると、私の体を労わってか仕事を減らしたが、


「お前の子なら高く売れそうだ」


 そう言われて、あいつの顔を見た瞬間、感情が爆発・・・する前に頭に激痛が走った。


「ひゃっはっは、その顔、たまんないねぇ」


 なんとか、なんとかこの子が、この子だけでも助けたい。

 そう思ったが、既にここは村から離れた屋敷で、村長と必要な会話をする以外の会話は禁止されていた。

 それだけに留まらずに・・・。




 子供が生まれた。

 とても愛おしい愛くるしい我が子。

 再びお金を稼がされ出し、家を長く空ける事が多かったが、この子は泣いた形跡すらなく私を待っていた。

 なんて聡明な変な我が子、友人の子供は泣いてばかりだったが、必要以上に泣くことは無く、言葉も早くから話せるようにもなった。

 教えていない言葉を話すのはなぜかしら?

 でもこの子なら・・・。


 何度か殴られ蹴られ、どうにかあいつと話を付けて、10歳で貴族に売ることで決まった。

 それまでは、この子と居られる。

 禁止事項は色々と決められたが、計画を立てて実行しよう。

 この子に全てを押しつけることになる計画・・・



 この子の事だから、あいつの顔を見たがるだろう。

 あいつの顔を見せて、その際あいつに殴られるように芝居を打った。

 この子が蹴られたのと、期間が短くなったのは予想外だったが、この子なら私を導けるだろう。

 本当に優しい子供だったので、罪悪感はあったが、それでも・・・。


 この子は本当に不思議な子だ。

 簡単に学習できるものとできないものが在り、それでもいろんな事が直ぐにできるようになったし、 理解もしていて、一つ覚えていろんな答えを導き出したりした。

 魔法すら簡単に使って見せ(私に隠れて練習していたようだ)、迷宮「ガルムの森」でもガルムを簡単に倒せるようにもなった。

 魔力量もすごい勢いで上がってきているし、私の表情にも気付けるようだし、おそらく他種族の力も持っている。


 それにしても、外見が・・・。

 確かに可愛かったから淑女にした方が面白・・・いいと思ったのだけれど、何で日毎に可愛くなってくるのかしら?

 それでも一応男の子なんだよねぇ・・・時々手付きが怪しいし目も・・・。

 本っ当に、どこで覚えたのかしら?

 ノスティ家に売ったら(売らないけど)、家の娘を襲わないかがちょっと心配ね。

 っと言うか、流石にやり方なんて分からないわよね???


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