第1-1章
第一章 え?
どうだ、これを聞いてどんな事が起こってるか理解できたか? 俺はできてません。
てか、普通に考えて理解出来る訳がないだろ、ただ普通に帰宅したら自宅になんか沢山いるって、この状況を完璧に説明してくれる人がいるなら、その人を神と称えて一生敬い従うよ、だから誰か教えて。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱり出てこないよね、わかってたさそんなこと位。泣かないんだからね! グスン。
とまぁこんな与太話は忘れて、なぜこんなことになったのか時間軸を戻して見て整理してみよう。
そもそも今日は今まで住み慣れた街から越してきて3日目だ。引っ越してきた理由は高校に通うため、一人暮らしをするためだ。だが一人暮らし事態は一年ほど前からしているんだ。なぜかと言うと、俺の両親が一年前に交通事故で亡くなったんだ。
両親とも親や親戚はもういなかったみたいで、俺の事を引き取る人がいなかったってのが大きな理由だろな。
そのあと市役所の職員とか言ってた奴が来て、孤児院的な所に入れって言われたがそんな所には行きたくなかったから、どうにか断った。
でもその時俺は中3、受験生って奴だ。だが、そん中で、家事もこなして猛勉強していたよ。
猛勉強をしたのは俺が通う学校の特待生制度がよかったからだ、何と気前のいいことに一軒家を家賃タダで貸してくれるとか、学費免除、生活費援助、そんな凄い所中々ないだろ、だから迷わずそこに行くって決めたんだ。
成績自体は元々そんなに悪くわなかったがそれでも今狙える所より二ランク程上の学校でしかも特待生を狙う、生半可な努力はしなかったよ、本当に一日中勉強していた。
だがそれで体調を崩したら本末転倒だから、睡眠時間はできるだけ多く取って、料理も自炊していた。生活費は遺産と保険金があったからどうにかなっていた。ちなみに両親の事は自分の中で整理がもう付いているから気にしなくていいぞ。なんか、両親の事訊かれていないって言った時の空気に耐えられないからさ、そういうの気にしないでね。
話が若干それたが、まぁ、その努力のかいもあって無事特待生入学に成功したわけなんだ。
そして今日はその特待生の奴の手続きで学校に行っていたんだ。
それでその帰り道で「俺に兄弟がいたらどうなってたんだろ」とかふと思って帰宅したらこうなっていた。
・・・うん。何でだろうね、正直言って意味がわからないよ。
まさか俺が兄弟いたら、なんて考えたからこんな事になったのか? だとしたら俺はいつの間にこんなとんでも能力者になったんだよ。
ホント、何度も言うけど意味わかんねぇ。
実はこいつらは皆隠し子でってな訳ないよな、さっき一瞬見ただけでも7人くらいはいたもん。そんな人数は流石にありえないだろう。
とまあこんな事を説明している内に、気絶していた俺が目を覚ますみたいなんで続きをどうぞ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ん、あぁ、なんか変な夢を見ていた気が」
フリーズしました。俺。頭を片手で押さえた状態のまま。
なぜかと言うと、もうお分かりの通り先ほどの景色がまだ広がっていたからです。
違いを挙げるとするなら、ここが玄関ではないことだ。
ここは、リビングそして俺はソファーの上に寝かされていること。
するとまぁ俺を先ほど萌え殺した女の子と目が合っちゃいましたよ。
「あっ、おにーちゃんおきた」
今度は殺されんぞ、二発目だし、来る事がなんとなくわかっていたし。それでもなんか脈が速くなってるよ。
ちなみにどうでもいいことだけれど、このソファーとかその他の家具は備えつきだ。凄いだろ。
あ、なんか女の子がこっちに近づいてくるよ。
「ぐあいはだいじょうぶ?」
首をかしげて俺の顔を覗きこんできているよ。
「あ、ああ。大丈夫だよ」
「よかった、あのね、わたしはね、えみっていうの」
自己紹介か、なら俺もしないとな。
「そうか、よろしくな、えみちゃん。俺は――」
「そういちでしょ」
「え? うん、そうだよ」
なんで俺の名前知っているんだよ、自己紹介してきたって事は初対面のはずじゃないのか?
「それじゃあおにーちゃん、またあとで」
そして笑顔で階段を上っていった。
「いったいなんだったんだ」
思わずつぶやいていたよ。
そういえば今は何時だろう。腹の空き具合から言うともうそろそろ、晩飯時って感じだが。
で、時計に目をやると6時半、はぁ、まだ晩飯の買出しに行ってないよ。
しょうがない、コンビニで弁当でも買うか。
これで三日連続か、ちゃんとしたもの食わないとな。
三日間連続コンビニ弁当の理由は一日目は引越しの後片付けや、何やらで忙しくって、二日目は前日の疲れが残ってか昼過ぎに起きて、残ってた方付けをしたらこんな時間になっていた。
で、今日は学校に手続きに行く時間が2時位だったから、12時くらいまで寝てパンを軽く食ってから、そのまま家に帰った訳だ。
そしてまたこの時間か、まぁコンビニには徒歩5分もあれば余裕で着く所にあるからそんなに面倒くさくはないが、それよりもまだここら辺を散策していないんだよな。
高校生である以上そんなに金が手に入る訳じゃないから、食費をそんなにかける訳にもいかないし。
よし、決めた。明日ここら辺散策するか、駅周辺に行けば安いスーパーがあるかも知れないしな、それにこの調子で夢が覚めなければ、一人暮らしではなくなる可能性がある訳なしな。
ため息しか出ないけど。
別にこの状況に納得した訳じゃないぞ、それでも現状起こり得る可能性のことも考えて行動しないといけないからな。
ということで弁当買いに行くか。だが、何人分買いに行けばいいのだろうか、えみちゃんの分は買うとして、他の人はどうしたものか。
ん、なんだこの匂い、キッチンの方からするけど、見てみるか。
そしてドアに手を掛ける。
ちなみに我が家はリビングとキッチンの間にドアがある。ご飯をリビングで食うなら邪魔になるかの知れないが我が家のキッチンフロアにはもう一つリビングが付いてる。つまりはダイニングキッチンってやつだ。
俺はこの三日間その部屋ご飯を食っていた。そっちのリビングはこっちと比べれば狭いかもしれないが、それでも5~6人くらいでご飯を食べても十分スペースがある。
んじゃ部屋の説明終了。ドアあけるぞ。
開けた先には3人の男女がいた。しかも料理を作っているよ。こいつ等たしか帰った時に見た奴だな。
それで、一番手前にいる自称姉と目がい合いました。
「あ、そーちゃん起きたんだ、心配いていたんだからね」
次に真ん中にいる自称姉も話しかけてきた。
「なぁんだそのまま寝てれば、アンタの分のご飯作らなくて済むと思ったのに」
で、最後に一番奥にいる自称兄も話す。
「そんなこと言わなくっていいんじゃないか」
クスクスとわらってるよ。
うん。まずつっこませて。ドアも閉めず、逃げずにこいつ等の話を聞いたし、とりあえずもういいよね? んじゃあつっこむ。
まず最初の奴、そーちゃんって誰だ! まさか俺の事か? 俺の事なのか? なんで初対面の奴にそんな馴れ馴れしい呼び方されにゃいかん! 姉設定だからそんな呼び方なのか!? そして二番目の奴、ちゃんと俺の分の飯も作って下さい。飯抜きはマジで辛いんで。んで、最後の奴、ありがとうございます。そのまま料理しててください。
あーすっきりした、え、なに? つっこむならちゃんと声に出して言えって。そんなことできませんよ、初対面の人に向かっていきなしこんな事いえるかっての。
そんなことを思ってたら自称兄がもう一度話し出した。
「僕は作っていないし」
「作れよ!」
さっきの言葉嘘だったみたいだな、つっこんだよ、俺、結構大きな声で。
「いやいや、冗談だって、そんなに本気になんないで」
「そーですか」
一番いい人だと思ったのに裏切られた感があるよ。
「うん、そうそう。あっ、ついでだから自己紹介しておこうか、そちらから、叶さん、彩音さん、で僕が隆也。よろしくね」
それに続けて二人の自称姉も「よろしくね」って言っていたので、ここは最低限の礼儀として俺も、「よろしく」と返事を返した。
挨拶を済ませたところで、そろそろ腹も大分空いてきたので、今晩のメニューを訊いてみる。
「で、何を作っているんですか?」
それに彩音さんが答える。
「創一が来た記念に赤飯でも炊こうかと思ったけれど、大人数分は面倒だったから、単純に皆大好きカレーにしましたぁ。はい、拍手。パチパチパチパチ」
「わぁ、それはいいですね」
今棒読みになっていたかもしれないが、とりあえず合わせて拍手してみる。
「同じ手を動かすなら野菜を切れ」
「いっ、あ、はい」
・・・・・・。 あ、今の状況を説明すると、拍手していた彩音さんの足を叶さんが踏みつけた。それで、彩音さんが作業再開って感じです。
ん? そういえばさっき重要そうなことを言っていた気が・・・あ、思い出した。
「そういえば大人数とかいってましたけど、何人くらい居るの?」
で、今度は叶さんが答えてくれる。
「今は20人位かな」
「へぇ、そうなんですかって、え!? 20人って多! しかも今はって事は変動するんですか!?」
「するかもよ、円相場の如く。それにあんまり帰って来ない人もいるから、もう少し多いかもね」
「はぁ、そうなんですか」
その口ぶりからすると少なくとも今この家には20人程の人が居るって事になるのかよ、そんな大人数ここで食えるのか――
再びのフリーズ、その原因は視線の先、キッチン側のリビングにあった。その原因とは、広さがおかしい。どうおかしいかと言うと、広さがとんでもなく広くなってる。
一体どうなってるんだ、そうか、あれか、俺が留守にしていた間に拡張リフォームしたんだなきっとそうだ。いやぁ日本の技術力は凄いね、俺がいなかった一時間弱でこんな事ができちゃうんだもん。いやぁ凄い。
はぁ、夢は覚めるかさ夢って言うんだよな、だったらこの状況は何なんだろうか、現実か? 現実なのか? いや、夢だろ、きっとそうだ、そうに違いない、とかそんな事をずっと考えていればそのうちに覚めてくれると一抹の期待を持ってみたけれど、全然覚めませんね、うん。
とまぁ本日何回目かの現実逃避をしてみました。
こういう奇天烈な状況になったら、郷に入っては郷に従う、顰に倣う、虎穴に入らずんば虎子を得ず。
うん、言いたいことはわかる、ことわざ使っとけばそれっぽくなると思うなでしょ、一つ目はいいとして、二つ目は若干意味合いが違いそうだし、三つ目に限ってはただ言いたかっただけです。
すみません、反省はしていません。
とまぁ、大幅に脱線してしまったが言いたかった事は「この部屋なんでこんなに広くなってるの!?」です。
大きく横道にそれた事は反省しています。すみません。今後二度としないとは言い切れません。と言うより、こういう脱線のほうが多かったりする訳で・・・・・・ 話し戻します。
部屋がおかしい事を訊いてみる。
「この部屋なんなんですか?」
話の続きで叶さんが答える。
「ええ、凄いよねこの部屋、これだけ広ければ皆でご飯食べれるしね」
「そうですね」
この言い方的にはこの部屋は最初からこの広さだったみたいだな。
それにしても材料が多いな、20人て言って位だしこんなに必要なんだな、早くご飯を頂きたいが、まだ下ごしらえの段階だし、暫く掛かるな。よし、なら。
「俺も、手伝いますよ」
三人とも振り返り「え?」と聞き返し。
で、最初に叶さんが口を開く。
「大丈夫だよ、そんな、そーちゃんの手を煩わせる程のことじゃないから」
続いて彩音さん。
「お、いいね。んじゃあ早く手伝ってよ」
んで、最後に隆也さん。
「そういうことはもっと早く言って欲しかったな。そうすれば僕がサボれたのに」
ちょっと、もう一回つっこませて貰うわ。
叶さん、そーちゃんって言うの止めて下さい。なんか背筋がゾッとするから、で、彩音さん、そういうウェルカムな感じいいですね。で、最後の隆也さん、俺の中でのアンタの印象がだだ下がり中です。
「あ、やっぱ止めます」
俺の台詞を聞いてから叶さんと彩音さんが、隆也さんを冷たい視線で見つめる。
「すいません、冗談です。手伝ってくれると助かります」
この言葉が聞けて満足です。
「で、何を手伝えばいいですか?」
「じゃあ、私たちと一緒に野菜を切って」
叶さんが指示してくれた。
それで、進められて叶さんと彩音さんの間に入る。
そこに有ったのは、残りが僅かになってきたニンジンとまだ結構残ってるジャガイモ。
「じゃあお願いね。で、隆也君あなたはこれね」
渡されたのはカレーを作る際の唯一の鬼門、タマネギを渡した。しかも手付かず。
「え~とこれは何かの冗談かな」
「私があなたに冗談を言った事があったかしら」
うん、俺ちょっと今身震いしていました。俺のことをそーちゃんと呼ぶ事を除けばこの中で一番優しい人だと思っていたけど、一番危険かもしれない。
「・・・はい」
デフォルトの表情がニコニコした感じの隆也さんの笑顔が若干引き攣ってた。
「叶さんってこんな感じの人なんですか」
隣の彩音さんに小声で尋ねてみる。
「あー、いやな、普段は優しいいい奴だけど、怒るとあんな感じ、今のは創一に言った冗談に対して怒ってるな」
「ああ、そうなんだ。俺はなんとも思っていないんだけどな」
「別に気にしなくていいよ、二人とも普段からあんなんだから」
「そうなんだ、わかった」
密談終了、叶さんに聞こえてない事を祈る。
「あなた達なにヒソヒソ話してるのかな」
叶さんがこちらに気付きました。
「いや、別に大したこと話してないから気にするな」
ナイスフォローと思ったけれど、聞かれた所で本当に大したことない話しだしな。
「気にするようなこと話してないですよ」
事実だから俺もこう返した。
「あっそう、二人だけの秘密ずるい」
そう言ってから、少し拗ねて野菜の調理を再開し始める。
「じゃあ、あたし達も再開しますか」
「はい!」
なんか妙にやる気が出てきました。その理由は久しぶりにちゃんとしたご飯が食べられることもあるし、久しぶりに料理するからかな。
元々料理は生きてくため、生活してくために始めたんだが、今はそれだけじゃなくなって着ていた、料理をし始めた最初の頃はカレーすら満足に作れなかったが今は違う、楽しみながら普通に作れるようになった。
作り始めて一ヶ月目は料理なんか嫌いだったが生きるために必死に作った。
作り始めて二ヶ月目に入って作り方やコツがなんとなくだけれどもわかってきた。
作り始めて三ヶ月目には料理のレパートリーが増えてきて喜んだ。
作り始めて四ヶ月目には大分馴れてきて少し手が込んだ物も作ってみたりした。
作り始めて五ヶ月目には料理の楽しさがわかっていた。
作り始めて六ヶ月目には料理は俺の趣味になっていた。
作り始めてから今日、初めて自分の作った料理を他の人の食べてもらえる。
前にもいったが、俺は一年程前から一人暮らしをしてきていたから、作った料理は自分以外の人に食べてもらった事がないから、今回は格段と気合が入ってる。
と、いうことで早く包丁を握るか、よし、握った、んじゃあニンジンを切りますか。もう洗ってあるみたいだし皮を剥いていきますか。
「お、創一、あんた結構上手いじゃん」
彩音さんに褒めてもらえた、一安心だな。
「まぁ、結構料理していたしね」
「そうなの、よかったぁ。本当は私達に気を使って手伝うって言い出したんじゃないかなって心配していたの」
「叶さんそんな心配してたんですか、大丈夫ですよ料理は得意ですから」
「そうなのか、ま、あたしたちの方が上手いとは思うけどね」
「じゃあ、さっさと彩音さんよりも上手くなってやりますよ」
「おう、掛かって来い! いつでも相手になってやる」
「はい、二人とも! 口じゃなくて手を動かす! わかった?」
「わ、わかった、やるよ」
「はい、やります」
今のは結構怖かった、何が怖かったかって、にこやかな表情の中に冷たい何かを感じる微笑みで包丁を持っていたからだ。ここ最近の中で一番怖かったな。
で、恐怖に屈して黙々と切っていたら、俺たちの分野菜の下ごしらえが全ておわった。
「よし、これで後は炒めて煮込むだけだな」
「そうね、あ、彩音鍋出して」
「りょーかい」
「隆也君はまだ切ってるのね、じゃあ頑張ってね」
「頑張れよー」
「え、手伝ってよってもういない」
隆也さんが声を掛けた時には二人とも手も洗ってあっち側のリビングにいた。
ということで、俺と隆也さんの二人きりになってしまった。
さてと、俺も抜け出すか・・・・・・目があっちゃいました。
「・・・手伝いましょうか」
「あいがとう、創一ぃ」
泣きいながら抱きつくな、この野郎、気持ち悪いわ。
何で手伝うとか言い出したかは同情からです。
だって、目が合った時に君まで行ちゃうの? みたいな顔するんだもん。それを見たら断る事ができませんでした。
と、いうかその涙もタマネギ切ったからだろ。タマネギ? お前その手で俺に抱きつなぁ! 服にタマネギの臭い移る!
なんか俺も涙が出てきたよ、うん、きっとこれはタマネギのせいだ、そうに違いない。この服、結構お気に入りだったのにな。
「いいから、さっさときりましょう」
あれ、なんでだろう、まだ切っていないのに涙が出そうだよ。
「うん」
こいつ本当に俺よりも年上かよ、大分情けないぞ。
「創一って本当に良い奴だな、困っている人がいたら手を差し向けてくれるなんて、流石だよ」
「はぁ、そうですか」
今回のは手を差し向けたんじゃなくて、隆也さんかあまりにも惨めに見えて、同情からの行動なんだけれどな。まぁ、世の中には知らない方が良い真実って物が必ずあるよな。今回もそれに然りだな。
「うんそうだよ、あの二人はいつもタマネギを僕に切らせるんだ」
あーなんか愚痴りだしちゃいましたよ。適当に聞き流していればいいかな。
「へぇ」
あぁ、大分お腹へってきたなぁ。
「見てもらえばわかる通りこんなにも数があるんだよ」
「ええ」
早く切り終えないとな。
「これだけの数を切り終える頃にはもう目が真っ赤になって痛いんだよ」
「そうですね」
結構量があるから、煮込むのも時間掛かりそうだなぁ。
「だから、平等に切るものをじゃんけんで決めようって言った事があるんだ」
「それで」
それにしても、いつの間にこんなに食材買ってたんだろ。
「そしたら、彩音さんがさ『あんたは男なんだかな男らしくタマネギを切りなさい』って言うんだよ」
「はい」
まぁ、経緯とかはどうでもいいや。
「意味わからないよね、男らしくタマネギを切れってどうやるんだろうね」
「確かに」
今実際ここにあるわけだし。
「それでね――」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
まだ結構続いたのでカットしました。