断章2
断章二 結霞の日記2
『4月5日金曜晴れ。今日は学校の入学式だった。式典の様子を後ろからずっと見ていたけれど、去年は私もあそこの中に混じって緊張を味わいながらドキドキしていたんだった。
その時の気持ちは今でもはっきりと思い出すことができるのに、こうして改めて体験すると一年という時の短さを教えられている気がする。
そんな懐かしさを思い出させてくれた式が終了したから、帰ろうかなってしていた時にみんなにマックに行こうって誘われたの。
最初は止めておこうかなって思ったんだけど、こうして部活がない日ってのは中々ないんだから、たまには行こうよって説得されちゃった。
花が咲き乱れるかのように話題も尽きることがなく、気がついた時には外は綺麗な夕焼け色になってたの。
名残惜しいけれどもう帰らなくっちゃいけないからそこで切り上げてまっすぐ帰宅。
その途中、スニーカーの靴紐がほどけてて結び直してた時に起きたハプニング。
創一お兄ちゃんとの事故的遭遇。だけど怒るようなこともなく、ちゃんと許してもらえてよかった。
その直後自動車が物凄い速度で通り抜けて行く前に引き寄せられて、腕の中に収まったの。
春先の寒さが残る空気が一瞬にして温まったみたいに心地よい温度に包まれた。
そして今日寝る前に一つのことを創一お兄ちゃんに相談したの。
だから今日はもう寝ないとね、明日に支障をきたさないためにも。
お休み、私。
いい夢を。』