プロローグ
プロローグ
一人っ子なら一度くらいは「兄弟がいたらなぁ」なんて思ったことはないか?
兄でもいい、姉でもいい、弟でもいい、妹でもいい親や親戚とは違う家族がいたら、今の自分が何かしら変わっていると思わないか?
下の子がいれば今よりももっと面倒見のいい人間になっていたかもしれない。
上がいれば今よりも溌剌な性格になっていたかもしれない。
そんなことない、どうせ今と何にも変わりはいないなんて言う人もいるかも知れないが、俺、緋山 創一はそうは思わない。
名前を見てもらえばわかるが、“一”という字が入っている。これは単純に長男であるからというのも理由の一つだ。ちなみに“二”の字をつけられた弟はいない。「じゃあ姉か妹がいるんだろ」とか言い出す奴がいるかも知れないがそういう訳でもない。まどろっこしい言い方をしたが、まぁ、単純に言うと。
俺は一人っ子です。
こんな一言で済むようなことをなぜこんな面倒臭く、ひねくれた言い方をしたかと言うと、なぜか俺の兄や姉や弟や妹と言い出す奴が目の前にいるからだ。これだけ聞いたら4人と思うかも知れないがそうではない、なんか沢山いる。
・・・いや、俺がおかしい訳じゃないよ、てか普通に考えておかしいのはこいつらの方だろ。
家に帰ったら、沢山の兄姉弟妹がいた。
ドッキリにしたら手が込んでいすぎだろ。いや、むしろドキッリであって欲しいけれど、そうだ、ドッキリではないとしたらこれは夢だ。きっとそうだ、頬をつねってみればきっと覚めるさ、さあ、つねってみよう、うん。
うん、普通に痛い、全然目覚めない。あ、やっぱりこんな古典的な方法じゃ駄目なんだ、きっと、そうだ自分に暗示をかければいいんだ、ナイスアイディア。
これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは
ん、誰だ俺の肩をつつくのは?
「おにーちゃん、おかえり」
笑顔の自称妹がいるよ。
やべ、可愛い、まさか俺に妹萌えがあったとは。ガク。
脳が状況理解できるキャパシティーを大幅にオーバーして倒れました。