入学偏---------6
いやアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッッッッッッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キイイイイイイイイイイイイイイイやアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァアァァァッッッッ!!!!!!!!
シャベッタアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!!!
――ヒューズと別れて三十分が経った。
昴は、自分のマンションの前にもう既に着いていた。魔法加工がされている特殊な金属を用いて作られたこのマンションは、金属質な見た目どおり強固な魔法耐久力を誇る。
物理的な攻撃にも幾分耐えられるというメリット付だが、高い家賃のおかげで入居者は部屋数の半分も埋まっていない。しかし、泥棒などという輩に入られることはまず無いし、魔法加工がされているので勉強にも役に立つ。
立地条件も良いし、一人暮らしにはもってこいの物件だったので、昴は迷わずにこのマンションに入居した。
このマンションはオートロックシステムで、入居者の生態反応を察知しなければ開けられない。昴は玄関にあるいかにも硬そうな金属製の扉の前に立った。すると、四方八方はら光のレーザーが放出され、昴の身体のあちこちに当たる。
数秒もすればそれは終わり、重い扉がゆっくりと開いた。昴が扉をくぐって、マンションの豪華なエントランスに入った瞬間、開くときとは打って変わって、もの凄い速度で扉が閉まった。
「いつ見ても恐ろしいなぁ。これに巻き込まれたら、怪我じゃ済まないでしょ……」
昴は苦笑しながら、エレベーターに乗り込んだ。全部で五階建てのこのマンションは、一つの階に五部屋、合計二五部屋で作られている。
そのうち、昴の部屋は三階の角部屋だ。この部屋は一番狭く作られていて、このマンションの中で最も家賃が安い。
といっても、一般のマンションの数倍はあるのだが。
昴は、エレベーターから降りて自室の扉を開けた。すると、暗かった室内が一気に光出し、その豪華な室内を照らし出す。
一番狭い部屋といっても、4LDKはくだらない部屋である。昴一人で暮らすには十分というよりも、勿体無いといってもいいほどの広さだ。勿論、昴自身もここまで広い部屋は望んで居なかったのだが、このマンションに住むにあたって、一番狭い部屋なのだから仕方が無かった。
最初に、このマンションの間取りと家賃を聞いたときには、他の物件にしようかとも考えたのだが、貴重な金属に高度な魔法加工がされているともあって、クラッドである昴からしてみれば、格安物件よりも素晴らしい物件なのだ。
昴の部屋の内装はしっかりとしていて、とても明るい。広々としたリビングには、ベランダへ出ることが出来る大きな窓がついていて、そこからは絶景が見れるようになっていた。
昴はリビングにおいてある大型のソファーに倒れこんだ。ソファーは安物だったのだが、昴が魔法加工で材質変化をさせておかげもあって、極上の寝心地を醸し出していた。包み込まれるような感触に、思わず瞼が落ちてきてしまう。
――その時だった。
ベランダで微かに何かが動いたのを感じた。夜の闇に紛れていた何かが蠢いたのを、昴は見逃さなかった。停止しかけた思考が再び動き出す。
「…………まぁ、いっか」
しかし、昴は動かなかった。
このマンションの設備を考えてのことだ。勿論、突破されるとは思っていない。何せ、それを見込んでの入居なのだ。せっかくある設備なのだから、役に立ってもらわなければ困る。
「ふぅ……。僕の安眠の為に頼むよ……」
昴はそれだけ言い残すと、再びふかふかのソファーに顔を埋めていった――。