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白銀の流星  作者: 世捨人
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3話

生徒達が帰った後、ルイス達は教室の掃除を終わらせた。


「終わりましたわ」


「お腹へったぁ~~~~」


「そうだね。とりあえず何処かで昼ごはん食べようか」





ルイス達はレストランや売店の集まった通りを歩き、店を覗いたりしながら歩いていると、オープンテラスから呼び止める声が聞こえた。


「お~いルイス~~~」


「あっ、ロン君。君達も食事かい?」


「そうそう。班の親睦食事会さ。あははは」


「みんな、ロン君達と一緒に食べない?いいよねロン君」


「どうぞどうぞ。こっちも構わないだろ?」


ロンウッドは女の子の様子を窺ったが、女の子同士も既に寮で顔なじみになっていたらしく2班合同親睦食事会がはじまった。


全員適当にカウンターから食事を取ってきて席についた。


「ルイスの班は美人ばっかだな」


「ちょっと待ってよ。それってアタシ達に失礼じゃない?」


「いや君達も美人だよ……たぶん」


「たぶんってなによ。失礼しちゃうわ」


「あははは ところでルイス、リンダさんって昨日の先輩の妹さんだろ?」


「そうだよ」


「こんだけ美人だとお兄さんが心配すんの分かるぜ」


「ルーちゃん、お兄様がなにか?」


「昨日、僕の部屋に来てね、リンダちゃんをよろしくって」


「ルイスのお兄さんと一緒に来て、リンダさんに悪い虫がつかないようにって心配してたんだよ」


「まあお兄様ったら……」


「心配しなくてもリンダに近づく男は私が斬る捨てるわ」


「あはははは、やっぱりランちゃんが居れば安心だね」


「それにしても、ルイスの周りって美形ばっかりだね~」


「そうそう。お兄さんも格好良いし、リンダのお兄さんも……」


「ハンス様は頭も良いし武術も一流だし……どこかの茶坊主とは大違いだわ」


「フランちゃん、それって僕のこと?」


「そうそう、ルイスはお茶しか取柄がないもんね」


「ランちゃんまで…ひどいなぁ~」


「でもルイスのお茶はうまかったぜ」


「ボクもあれが薬茶なんてしんじられないよ」


ロンウッドとロビンのフォローに、なんのことか分からない3人の女の子が首を傾げた。


「マリアさん、昨日の夜ランちゃん達と一緒に飲んだお茶のことよ」


「ああ、あれは美味しいお茶でしたわね。あれをルイスさんが?」


「「アタシたちだけ知らないの?ずる~い」」


ロビン達の班の二人の女の子が頬を膨らませ抗議した。


「でもルイス、私達のお茶とリンダのお茶は香りも味も違ってたわよ」


「そりゃ配合を変えてるからね。リンダちゃんのは身体の浄化と内臓を強くするようにしてるし、ランちゃん達のは集中力を高めるようににしてるから」



ランがいきなり、みんなに問いかけた。


「みんな、今日はこの後用事ある?」


「特にはないわよ」


「なにもないよ」


「じゃあ、これからルイスのお茶会ね。みんなティーカップ持って集まろう!」


「ランちゃん、集まるったって何処に?それにお菓子は用意できないよ」


「お菓子は女子で用意できるわよ。

場所は男子寮の談話室ならいいでしょ?」


「しょうがないなぁ~。じゃあ用意するよ」


全員、一旦寮に帰り制服から私服に着替えたあと男子寮に集合することにした。







ルイスがお茶の用意をして談話室に行くと、すでに何人かの男子が集まっていた。


「おーいルイス、こっちこっち」


「勝手でわるいけど、他の班にも声かけて来てもらった」


「いいよ、同じクラスだし仲良くしたいから」


「ただ、2班の連中は来ないって言ってたぞ。

野草の茶なんて飲めるかって言われちゃったよ」


「まあ人それぞれ好みがあるから気にしないようにしようよ」


ぞろぞろと女の子達も集まってきて、ルイスはみんなにお茶をふるまった。


女の子達も2班以外は全員集まっており、リンダとマリアが持ってきたお菓子を食べながら話に花が咲いた。


「このお菓子珍しいね」


「それはマリアさんが持ってきてくれたグランディアのお菓子なんだって」


「こっちのは?」


「それはイシュアさんが持ってきてくれたソヴィエのお菓子」


「へぇ~、本当に美味いや」


「こらっロン、一人で食うんじゃねぇ!みんなのが無くなるじゃないか」


「すまんすまん、でも美味ぇんだもん」


   あはははは


「こんな美味しいお菓子やお茶があるのに2班の人は惜しいことしたわね」


「それにしても、あんな断り方はないよね~

『わたくし達にはアリシア商会の一流品しか口に合いませんの』だって」


地方出身の生徒達は首を傾げていた。


「アリシア商会ってなんだ?」


「王都にある一流ブランドばっかり扱ってるお店よ」


「へえ~、そりゃ随分凄い家柄なんだろうな」


「なんだか2班だけ別世界みたいね。

クラス委員を決める時にも偉そうにしてたし……ロビン君苦労しそうね」


「まあ、この学院は身分関係無いから、そのうち慣れるんじゃない?」


「慣れるといえば、ガリア君とマリアさん、イシュアさんも留学生よね。

困ったことがあったら何でも相談してね」


「オレ……まだ話すむずかしい……いろいろ教えてほしい」


「わたしはソヴィエからの留学だけど、親戚が王都に居るからローレンシア語は大丈夫よ」


「わたくしも言葉は大丈夫です」






みんな出身地の話などで和やかな雰囲気でお茶会が進み、これからの生活の話になった。


「俺とピーターはアルバイト探さなきゃやってけねーな。

飯はここで食えるけど、他にも雑費はかかるからな。

例えば武術に使う剣とか買わなきゃいけないしな」


「そうだな。家からの仕送りなんて無理だしなぁ」


「剣なら用意してあげようか?」


「ランさん、いいのか?」


「私の家は武術教えてるから、倉庫に使ってないのがいっぱいあるわよ。

安物でよければ休み明けにでも持ってきてあげるわ」


「そりゃ助かる……でも本当にいいのかい?」


「問題ないわ。他にも欲しい人がいたら遠慮しないで言ってね」


「恩にきます」


「ルイス、男子のは取りまとめて運びなさいよ」


「わかってるよ」





「たしかアルバイトは担任に相談すれば斡旋してくれるはずだよ。

奨学金の制度もあるらしいから、ボクも行ってみようかと思ってたんだ」


「そっか、ロビンもアルバイト探しか。ルイスはどうするんだ?」


「僕は週末に家の用事があるから、アルバイトはできないんだ」


「地元の人には地元の苦労があるんだね」



アルバイト探しの面々は揃って場を後にして、担任のガーランドのもとに行った。

誤字・脱字がございましたらご連絡ください。


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