表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の流星  作者: 世捨人
32/70

31話

騎士団対抗戦まで残り2週間となった頃、ルイス達は防具を纏い刃を潰した剣での練習に入った。


「今日からは試合と同じく剣での練習に入るぞ。

刃を潰してあるとはいっても鋼だから充分怪我には気をつけてくれ」


「「はい」」


ロイはガリアに作ってもらった大剣で素振りを始め感触を確かめていた。


「ロイ、新しい剣を買ったのか?」


「先生、これは新入生のガリア君が作ってくれたんですよ」


どれどれとロイの大剣を見てギャランは目を瞠った。


「これはダマスカスじゃないか」


「そうらしいですね。僕には良くわかりませんが」


その言葉に全員が集まりロイの大剣を見た。


「この木目のような模様が綺麗ですね」


「はじめて見たわ」


「素晴らしい出来だな」


「試合用にダマスカスとは贅沢だな」


ガリアの剣の出来映えを口々に褒めた。


ギャランは自分の剣を軽く振り、ロイに声をかけた。


「ロイ、新しい試合用の剣もできたことだし、久しぶりにやるか?」


「よろしくお願いします」


ハンスが審判をかってでて、両者が構えた。


「はじめっ!」


じっと睨み合いをしていたが、ギャランが掛け声と共に上段から打ち込んだ。


    ズシーン  ガキーン


ロイが一歩踏み込みギャランの剣を迎え撃つとギャランは身体ごと吹き飛ばされてしまった。


「あいたたたた」


「先生、大丈夫ですか?」


ハンスが判定を下すまでもなくギャランは戦意を喪失してしまった。


「ああ、大丈夫だ。今のは何だったんだ?」


ギャランは痺れた手をふりながらロイに聞いた。


「ただ剣を迎え撃っただけですけど?」


「それにしては強烈だったな」


「ルイス君に足技を習ったんですよ」


「地の技に足技なんてねえだろ」


「僕もそう思ってたんですけど、地面を蹴って力を増幅させるんだそうです」


「ロイの腕力に蹴りの力を足したわけだな」


ルイスはニコニコ笑いながら頷いていた。


「俺が知らないってことは、騎士団の地の技を使う奴らも知らねえってことか」


ギャランは腕をさすりながら難しい顔をした。


「ロイには団体戦の大将を任せようとかと思ってたんだが、団体戦に使うにゃ惜しいな。

だが個人戦枠は3名だしなぁ~」


ハンスがギャランに問いかけた。


「予選出場枠があったんじゃないですか?」


「それだと前日に3~4試合しなきゃいけねえぞ?

その疲れで本戦じゃまともに戦えねえだろ」


「そんなのがあるなら、僕それででますよ」


「ルイス、お前なら予選突破は間違いないだろうが疲れが残るぞ?」


「あははは、僕若いですから一晩寝れば大丈夫」


「確かに若いわな。若さも武器の一つってことか」


「ルイス、絶対決勝まで上がって来いよ。決勝は兄弟対決だ」


ビクターがハンスの肩を叩きながら笑って言った。


「おいハンス、俺に勝って決勝ってのは決まりなのか?」


「当たり前じゃないか。学院最強のハンス様だぞ」


「言ってくれるじゃないか。おいルイス、決勝は俺とだからな」


「え~と、決勝までは当たらないの?」


「ああ、同じ所属の者は準決勝までは当たらないようになってるんだ。

たとえ準決勝であたっても、事実上の決勝戦だ」


「じゃあ個人戦はハンス、ビクター、ロイでいくぞ。ルイスは予選からだ。

残りの者は団体戦でいいな」


「「はい」」






翌朝の夜明け前、ルイスはいつも通りシルフの張った遮音結界の中で練習していた。


「ルイス、今日は動きが鈍いな」


「仕方ないよ~防具つけてんだから」


胸と腹は鋼でできた胴で覆われ、足や手などの露出した部分は鋼板を縫いこんだ革の鎧を着けていたのだ。


「動き難いし重たいし大変なんだよ」


「そんなの着てるほうが危ないんじゃないか?」


「僕もそう思うんだけど、僕一人だけ着けないってわけにはいかないんだ」


「まあアーサーの時代の騎士鎧よりはましだがな」


「あの時代って全身を鋼で覆うやつ?」


「そうそう、重いから筋肉強化には良かったかもしんな」


「アーサー様だって防具着けてたんでしょ。家に飾ってあるんだから」


「アーサーは篭手と脛当だけだったぞ、あれは人がいっぱい集まってる時だけ着てたな」


「儀礼用だったのか……」


練習を再開したアーサーを見てシルフが見て笑っていると、難しい顔をしてノームが地面から顔を出した。


「ひどい……あんなの防具じゃない」


ブツブツと独り言を言ってるノームにシルフが言った。


「そんならノームが作ってやれば?」


「軽くて丈夫で動きやすくって……材料は……」


ノームはブツブツ言いながらもルイスの動きを観察し、どうすれば動きやすいかを考えはじめた。


「ノーム、どうせならルイスに似合うのを作れよ」


「当たり前だよ。ルイスちゃんに似合うのは白ね」


「白い材料なんてあったか?」


「それで困ってるんだよね~アレクちゃんの鱗は金色だし~牙は白いけど硬すぎて加工し難いし~」


頭を抱えて考え込むノームの横でシルフも考え込んだ。


しばらく無言だったシルフがニヤリと笑いノームに耳打ちし、ノームは満面の笑顔をみせた。


「シルフちゃん、それならいけるよ~」


「あれなら魔術にも強いし強度も問題ないだろ」


「そうだね~」


練習を終えたルイスがシルフとノームのもとにやってきた。


「ノームちゃん、おはよ~」


「ルイス、ノームが防具作ってくれるってよ」


「うん、今着てるのは動き難そうだもんね」


「ノームちゃん、いいのかい?」


「いいよ~、軽くって動きやすいの作ってあげる」


「じゃあ、お願いするよ。試合用の剣は友達が作ってくれるから安心だしね」


「早速材料集めてくるね~」


「アタイも手伝ってくるよ。それじゃあな」


シルフとノームが去った後、ルイスはどんな防具ができるのかに思いを馳せていた。

誤字・脱字がございましたらご連絡ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ