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白銀の流星  作者: 世捨人
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24話

選手選考の翌日、ルイス達の朝の自主練習にはキャメル達も参加してクラス全員が揃った。


「なあルイス、他のクラスの奴らも参加したいって言ってんだけど、いいかな?」


「別にいいんじゃない?大勢のほうが楽しいし」


「それじゃあ、明日からでも来るように言っとくよ」


ロビンとルイスの会話にラン達も頷き、他のクラスメイト達も笑顔を浮かべていた。






放課後、初めての練習の為ラン達が着替えに寮に戻っている間、リンダはアネット教諭のいる保健室に向かって歩いていた。


「ちょっとお待ちなさい」


リンダは急に呼び止められ振り向いた。


「あの~わたくしですか?」


「あんたしかいないでしょ」


「何か御用でしょうか?」


数人の女生徒がリンダを取り囲み憎々しげな表情で話し始めた。


「あんた治癒助手を辞めなさい」


「はあ?どういうことでしょうか?」


「どんな手を使って治癒助手になったのかは知らないけど、ビクター様やハンス様に近づくことはやめなさい」


「兄の推薦で指名されただけなんですけど……それにお友達も選手ですし……」


「あんたの兄さんってのも余計なことするわね。いいからあの方達に近づくのはやめなさい」


「そう言われましても……困りましたわね~」


「先日も一緒に食事をしていたようですけど、今後は許しませんよ」


「どういうことでしょうか?」


「痛い目にあいたくなかったら二度と出すぎた真似をしないことね」


リンダは訳がわからず困った顔をした。


「あの~兄と食事をするのを禁止されても困るのですが……」


「へ?あなたのお兄さんって?」


「ビクターと申します」


「ビクター様の妹さん?」


「はい、ちなみにハンスさんは従兄ですけど」


「そ・そう、それならいいわ」


慌てて立ち去って行く女生徒を見送り、リンダは首を傾げていた。


「何だったのかしら?」





アネットを誘って運動場に行くつもりだったが、あいにくアネットは生徒の治癒をしておりリンダはひとりで運動場に向かった。


リンダはギャランにアネットは治癒中であることを伝え、自分は脇に控えていることを告げた。


「よぉ~し、今日から練習を開始するぞ。

まずはお互いの実力を知る為に組み手をしてもらうが、その前にそれぞれの属性別に分かれろ」


火の技はハンス、ビクター、ラン、レイラ

風の技はタニア、マイク、マリア、フランソワ

水の技と地の技はルイス、ロイであった。


「まずは模範試合だ。ハンスとビクターやってみろ。

他の者は下がって見学してろ」


ハンスとビクターは用意された木剣を握り身体をほぐしはじめ、残りの者はリンダの傍に下がった。


「はじめっ!」


ギャランの掛け声にビクターは飛び出し果敢に攻めはじめた。


一進一退の攻防が続き、両者共に身体強化の魔術で加速していき目で追うのが困難になった頃ルイスはポツリと呟いた。


「そろそろ決まるね」


「ルイス、どういうことよ」


ルイスの呟きを聞いていたランがルイスに問いかけた。


「ビクター兄さんの悪い癖が出るよ」


ルイスの言葉が終わると同じ頃、ハンスの突きがビクターに決まりビクターは吹き飛ばされた。


リンダが飛び出して行き、咳き込んでいるビクターに回復魔術をかけ落ち着かせた。


ハンスに支えられてビクターが戻り座り込んだ。


「くそっ、今日はいけると思ったんだがな」


「俺に勝とうなんて甘いぜ」


軽口を叩いている二人をよそに、ランはルイスに聞いた。


「ビクターさんの悪い癖ってなによ」


その言葉にビクターも反応してルイスを見た。


「ビクター兄さんは攻撃が決まらないとスピードをあげようとするんだ」


「それがいけないの?」


「そう、スピードをあげるために攻撃が単純なパターンになっちゃうんだ」


「そういうことだったのか、おいハンス知ってたのか?」


「当たり前だ。何回対戦してると思ってるんだ」


「力はビクター兄さんが上、スピードは兄さんが上、そんな兄さんにスピードで勝負を挑んでも勝てないってことだね」


説明を聞いていた者達は内容に納得しながらもルイスの洞察力に驚いていた。


「おいルイス、俺はどうやったら勝てるんだ?」


「ビクター兄さんは焦らずに攻め続ければいいんだよ。

スタミナ勝負に持ち込めば良い、それで兄さんとは互角に持ち込めるはずだよ」


ハンスはニコニコ笑いながらルイスに近づき、頭を小脇に抱え拳で頭をグリグリしはじめた。


「俺への勝ち方をアドバイスするなんて、いい度胸だな」


「に・兄さん痛いよ~」



「次はレイラとラン、やってみろ」


二人の対戦はまるで鏡に写したような攻防が続き、永遠に続きそうな雰囲気であったがふいにランがレイラの剣をそらし咽喉元に剣を突きつけることで終了した。


「ラン様、今の技は?」


「いつもルイスにやられるのが悔しくて覚えたのよ」


「さすが同門対決だったな。基本に忠実なレイラとランの自由な発想の差だったな」





「次はタニアとマリア」


こちらも同門対決ではあったが、マリアの攻撃に防戦一方のタニアは押し切られあっさりと負けてしまった。


「さすが本家といったところですね」


「タニアさんは修行途中だからですよ。これから一緒に練習しましょう」


「すっげぇ~、高等部最強と思われてたタニア先輩があっさりと負けちゃった」


「感心してる場合じゃないぞマイク、次はお前とフランソワだ」




すでに木剣を手にし準備をしているフランソワを見て、慌ててマイクも向き合った。


開始の声と共に、勢いよくマイクは飛び出していったが、悉くかわされ気がついた時には側頭部に蹴りが入り吹き飛ばされていた。


ようやく起き上がったマイクは「実力が違いすぎる」と呟き歯を食いしばった。


ルイスはマイクに駆け寄り声をかけた。


「先輩は型に拘りすぎてます。風の技は自由奔放が信条です。風の戦い方を覚えたら強くなれますよ」


「本当か?俺は強くなれるのか?」


「はい、基本はできてるんですから必ず強くなれますよ」


立ち上がったマイクをみんなは笑顔でみつめ頷いた。

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