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白銀の流星  作者: 世捨人
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15話

夜会への出席が決まった翌朝、ルイスはいつものように夜明け前から武術の練習をしていた。


「ルイス様、あいかわらずご熱心ですね」


いきなり声をかけられルイスはキョロキョロとあたりを見回した。


「驚かせてしまいましたわね」


青く長い髪をした美しい女性、水の精霊王ウンディーネが背後から声をかけた。


「ああ、ウンディーネさん。おひさしぶり~」


「わたくしだけじゃないですわよ。みんな揃ってますわ」


「おっす、ルイス」


「おはよう」


「ルーちゃん、おひさぁ~」


「みんな、おはよう。急にどうしたの?」


「ルイスが全然呼んでくれないから顔見に来たのよ」


「あはははは、みんなの力を借りるようなことがなかったからね」


「ところでルイス様、最近剣を手に入れられませんでしたか?」


「ああ、不思議な剣を貰ったよ」


「今日はその剣を拝見しに参上いたしたのです」


「剣は屋敷に置いてあるんだ」


「置いてある場所を頭に思い浮かべることはできますか?」


「うん、僕の部屋だから簡単さ」


「では集中して剣の場所を思い浮かべて、剣に手元に来るよう命令してください」


ルイスは目を閉じ意識を集中し、そっと手を伸ばした。


すると一瞬手元が輝き、手の中に剣が現れた。


「おお、すごいや」


「やはり神剣に間違えないですわね。」


「ルーちゃん、ちょっと見せて」


ルイスは剣を地の精霊王ノームに手渡した。


ノームは剣を抜き、隅々まで確認した。


「間違えないよ。精霊神殿に置いといた剣だよ。随分ボロボロになってるけどね」


「ルイス様、この剣は貴方のご先祖アーサー様が『澱』と対決した後に、万一にそなえて精霊神殿に預けられた剣です。

100年くらい前に盗まれて行方が知れなかった物でございます」


「我が家の当主に伝わる剣とは違うの?」


「エルザリアとレジアスに伝わる剣は当主と妃にしか使えませんが、この剣は神の加護をうけた者であれば使えるようになっています」


「それじゃあ精霊神殿に返せばいいんだね」


「すでに剣がルイス様を主と認めていますので、今はルイス様しか使えません」


「それじゃあ、僕が持ってていいの?」


「精霊神殿にはアタイが伝えとくから、ルイスが持ってなよ」


風の精霊王シルフが軽く答えた。


「一回試しに振ってみたんだけど、物凄い力が出て怖かったよ」


「後日、使い方は吾が教える」


火の精霊王サラマンダーが使い方を教えることを約束した。


「ルーちゃん、この剣しばらく預かるね。ちゃんと元通りにしといてあげる」


「ノームちゃん、お願いするよ」


「それにしても酷い状態だわね。装飾は全部剥ぎ取られてるし、精霊石なんかも全部はずされちゃってる」





精霊王達と話していると、運動場に人の気配が集まってきた。


「そろそろ、みんな練習に集まってきちゃったね」


「それでは我々はこれにて失礼します」


ウンディーネとサラマンダー、ノームが姿を消し、シルフも姿を消そうとして人影を見つめてルイスに声をかけた。


「ルイス、随分面白い仲間じゃないか」


「みんな良い子達だよ」


「そういう意味じゃない。よく見てみな、あの子達の周りに精霊達があつまってるぞ。

一度、精霊神殿に連れて行ってみなよ。上位精霊と契約できるかもしれんぞ」


「わかった、今度一緒に行ってみるよ。ありがとうシルフ」


「じゃあな、偶には呼んでくれよ」


シルフはニッコリ笑いてを振りながら風となって姿を消した。






「おはよ~ルイス」


「ルイスさん、おはようございます」


「ル~ちゃん、おはよぉ~」


「おはようございます、ルイスさん」


「みんな、おはよぉ~」


早速みんなで柔軟をはじめ、それぞれが身体をほぐしていった。


ルイスはみんなの動きをみながら、それぞれの周りで精霊が一緒になって体術をしているのを見て笑顔になった。


「ルイス、私達の動きが変なの?」


「みんなすごいなって感心してたんだよ」


「笑ってないで、あんたも練習しなさいっ」


「はあぁ~い」


続々と集まってきたクラスメイト達もそれぞれに練習を始め、ランやフランソワが手ほどきをしていった。


ルイスはリンダに水の技の基礎を教えながら話しかけた。


「リンダちゃんは水と相性が良いみたいだね」


「そうなの?」


リンダは首を傾げルイスを見た。


「だって魔術も治癒魔術が上手だし、体術の動きも身体にあってるみたいだよ」


「そっかなぁ~、体術はわかんないけど魔術は治癒が得意だよね」


「今度みんなで精霊神殿に行って、神官さんに精霊との相性をみてもらおうか?」


王城うちの祭壇じゃあダメなの?」


「精霊神殿のほうが精霊がいっぱい集まるからね」


横からランが口出ししてきた。


「私達を置いてくつもりじゃないでしょうね」


「みんなでって話してたんだよ」


「それならいいわ。マリアさんも精霊神殿の本部は初めてだろうから、いろいろ見学させてもらおうよ」


「あら、何かあるんですか?」


「マリアさん、200年前の戦いの絵や神獣の絵とかいろいろあるわよ」


「是非拝見したいわ」


「それじゃあ夜会の次の日にでも行ってみようか」


周囲から自分達も参加したいとの声があがり、ほぼ全員が参加することになった。


「ガーランド先生とアネット先生に引率頼まなきゃね」




HRの後でクラス委員のロビンが担任にお願いし、アネットが引率を引き受けてくれた。


精霊神殿内の案内は、神殿から派遣されている教師に案内を頼むことになり生徒達は大喜びした。

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