決着
side シヴァ
シヴァ「ふん!魔王の側近とか言っていたが、大したことなかったな。 まあ、魔王の側近がこんな所にいるわけがないしな。嘘だったということかな。」
ハーデス「嘘ではありませんよ、私は魔王様の忠実なる側近です。」
しかし、凍っていたはずのハーデスの声がした。なんと、凍っていたのはハーデスの影で本物は
全く別の場所にいた。
シヴァ「馬鹿な!どうやってあの技から逃れた!」
シヴァはかなり動揺していた。
実はさっきの技が自分にとっての最強の技であり今までこの技から、
逃れたのは自分の師ただ一人だったからだ。
それをこのハーデスという男は全くの無傷で、
目の前に立っている。
自分の師ですらこの技を無傷ではかわせていなかったというのに。
ハーデス「簡単な事です、私は自分の影を盾にしたんですよ。そして私が死んだようにわざわざ見せたんですよ。」
つまり、俺があの技を使う瞬間に本物のハーデスは影を使い全く別の場所にいたと言う事にか。
そして、技の効力が切れてからこちらにまた戻ってきたわけだ。
シヴァ「しかし、何故そこまでしたのに俺に攻撃しなかった?」
ハーデス「私がそんな不意打ちをしたら、貴方は確実に死にますからね。」
シヴァ「てめえ、舐めてんのか?」
シヴァは額に青筋を立てながら言った。
ハーデスはシヴァのその様子を特に気にも止めずに話す。
ハーデス「貴方のさっきの技、アブソリュートゼロでしたか?大した技ですが私にとっては児戯に等しい。」
シヴァ「何だと!」
シヴァは自分の最高の技を、児戯に等しいなどといわれ怒り心頭だった。
ハーデス「元々は、絶対零度と言う言葉で
絶対零度とは、氷点下で最も低い気温
273、15度のことであり、アブソリュートゼロとはその別名ですね。」
シヴァはまさかここまでこの男が知っているとは思わなかった。
シヴァ「だが、それがどうしたまだ俺が貴様に
負けたわけではない!」
シヴァはそういったが、もはや只の強がりだった。
さっきの技でかなりの
体力と精神力を消耗していた。
ハーデス「では、そろそろこちらから攻めますよ。」
ハーデスは話が終わるといつの間にかシヴァの
背後にいた。
シヴァ「!!!」
シヴァ(全く見えなかった、いつ動いたんだ!)
シヴァは地面をけって、一気にハーデスとの距離を開けた。
シヴァはあれほどハーデスに、喧嘩腰でいたのに今は全身から滝のような汗をかいていた。
ハーデス「どうしたのですか?先程と比べると、若干スピードに欠けますね。」
捕まれば全てが終わる、そうおもう程に、
このハーデスという男からヤバい気配を感じる。
今更だが、相手をしてはいけない者を相手にしてしまったことを理解する。
シヴァ(今はなんとかして、逃げなければ少しでも気を抜けば殺られる!)
しかしもう、体力の限界だった。
ハーデスはもう眼前にまで迫っている。
そしてハーデスの影が、シヴァの心臓をあと少しで貫かんとしたとき、
???「そこまでだ、魔の者よ!」
女性の声が響き渡った。