表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

筋力は力

読みやすくなるよう頑張ります。

転載は禁止です。


午後からはマナー時間。

貴族のマナーとは何だろう?


よくあるカーテシーとか?日本人に馴染みない環境だからか全くピンと来ない。


「聖女様にご挨拶させて頂きます。

私は淑女講師のクリスティ=エストラーナと申します。よろしくお願い致します。」

と言って美しいカーテシーをされた。


長い青暗の髪を野外巻きにしてまとめ、薄青色の瞳でニコリと見つめられる。

着ていたのはベアトップのロングドレスで白地に黒のフリルで品よく飾られた大人っぽいドレスがとても似合う。胸元から首元には薄地のレースで覆い隠されていて色っぽさを上げている。少し低めの聞き取りやすい声は落ち着いた印象を受けた。


「まず、聖女殿には披露の会での作法と式典での作法を覚えて頂こうと思っております。」


式典…お披露目とは違うのだろうか?


「お披露目はお聞きしましたが、式典とは何でしょうか?」


「神様より与えられた錫杖は聖女様不在時に聖教国に保管されております。こちらを聖教会から聖女殿にお返しする場の事です。

この式典は聖教国にて行われます。」


「先にこの国でお披露目を行い、その後に式典がございます。時期の関係上、お披露目の準備を先に始めさせて頂きますがよろしゅうございますか?」


「わかりました。お願い致します。」


私の了承をとると、早速お披露目の段取りについて説明を始めた。


「お披露目は皇子殿下にエスコートされ、自己紹介し、人々から挨拶を受けるだけです。貴族出身の聖女様でしたらダンスの披露がございますが、今回はその限りではございませんのでご安心下さいませ。

ですのでひとまず必要な技術は、姿勢、歩き方、エスコートのされ方、挨拶の作法の4つにごさいます。微力ながらお手伝いさせて頂きます。頑張りましょう。」


彼女の優しい笑顔には有無を言わさぬ圧がある。


「が…んばります。」


「まず立ち姿勢は体の真ん中に筋が通った様に。顎は、上がらない。はい。

もう少し上体を後ろに…はいそうです!

今の姿勢を維持します!」


彼女に細かい修正の指示を出されて私はひたすら真っ直ぐ立つ。

つっらっ!!これはキツイ!!何時間続ければ?!淑女達の筋力は強いんだと実感する時間だった…。

どうしても10分もすれば貧弱な筋力の体はグラグラ揺れる。彼女のにっこり笑顔での注意にトラウマが生まれそう…。


「…休憩いたしましょう。」


1時間も続けると休憩が許可され、やっと椅子に座れた。運動不足とか言ってられない…地味に運動量高いのではないだろうか。インナーマッスル鍛えられてるかな?あぁ。立つだけでこれとは先が思いやられる。


ソファに座ってお茶を頂き30分休めたが、

その後また1時間続いた…私頑張ったよね?!

立ちっぱなしって辛いのね。

侍女や護衛が立ちっぱなしなのは尊敬出来るとてもとても凄い事なんだと痛感した授業だった。授業終わりに再びソファで足を休める。


「お疲れ様でございました。

慣れない事でしたでしょう?明日はしっかりお体をお休めになりますよう。

次第に慣れてくるものなので、最初だけは大変ですが…きっと習得できますわ!」


エストラーナ先生はそっと私の手を取り花のように笑って励ましてくれた。

あら?彼女の手にはグローブがはめられている。珍しい…。


「エストラーナ先生はグローブを嵌めていらっしゃるのですね。」


「えぇ。肘までのグローブは既婚者であると周知する意味がございますのよ。既婚者は旦那様以外に手を見せてはならないのです。また、左手のバングルにも既婚者だという意味がございますのよ。」


そう言って見せてくれた彼女の腕には、彫金で透かしの入った暗い赤い宝石の輝く華奢なバングルが左手に揺れている。

結婚指輪代わりなのか。気づかなかった。


「左耳のイヤーカフは婚約を意味しますの。イヤーカフもバングルも相手の瞳の色を模した宝石を入れるのが流行りですわ。」


そう言えばほとんどの人がイヤーカフしているかも…婚約って早くからするんだ…住む世界が違うんだなほんと。


「聖女殿はまだ殿方の事は考えられてませんか?」


「まだこちらに馴染んでもいないので…自分の事だけで精一杯、ですね。」


話題をむけられるも、苦笑いで応える。

余裕なんて1ミリも無い今の私には考えられない。


「いつかは…心を預けられる安心できる方とこの国で安らかに過ごされますことを祈っておりますわ。きっと。」


「そう…でしょうか…」


まだ想像出来ない未来だ…。

安定は欲しいけれど。


そんな話をして先生と別れて、1日がおわる。

湯殿でのカリノさんとの攻防(お風呂のお手伝いをするかしないか)はあったがベッドに辿り着いたら疲れが限界だったのかあっさり寝落ちしてしまう。

誤字脱字があればお知らせください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ