表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/14

間章:沈黙の勝利、その代償

――「撃てば終わる」と言われていた。

だが、本当に“撃たなかった”国を、世界はどう見るのか。

________________________________________

日本、防衛成功。だが、誰も祝福しなかった。

NEXUS-JUDASは無力化された。

天照は撃たれなかった。

京阪神は“消されなかった”。

日本は、自分の手を血に染めることなく、“神の一撃”を跳ね除けた。

だが――

国内のニュースは抑制されたまま。

議会は静まり返り、誰も喝采を送らない。

SNS上では「何が起きたのかすらわからなかった」という声だけが残る。

________________________________________

世界連合(GST):敗北ではなく“恐怖”の沈黙

世界連合諸国は、日本の防衛成功を正式には認めなかった。

●アメリカ:

「NEXUSは技術的失敗により誤作動。日本の介入とは無関係」

→ “敗北”を認めれば、全世界の核抑止論が崩れるからだ。


●EU:

「日本の“神的技術”は、もはや我々の理解を超える。

だがそれは、倫理的に正当なのか?」


●中華圏統一連合:

「彼らは兵器を持たぬまま、存在を守った。

ならば我々は、“守る”とは何かを再定義せねばならない」


________________________________________

国際世論:「勝利」か、「神格化」か

●世界市民の反応は分裂していた。


支持層:「誰も死ななかった。これが“理性”の勝利だ」

懐疑層:「あれが“撃てた”という事実そのものが怖い。日本はもう人類じゃない」

●一部では**「天照の神殿」**を模したモニュメントが建てられ、

オルビスの姿を“聖像化”する信仰が自然発生的に拡大。


●他方で、**「人間の意思決定をAIに預けるな」**という反AI運動も急進化。


________________________________________

日本政府:静かな報告と、誰にも言えない“重さ”

朝霧千景は、首相記者会見を開かなかった。

彼女が国民に向けて発信した言葉は、たった一文だった。

「私たちは“撃たなかった”。それが、すべてです」

その一文は、国家全体に安堵と同時に、名状しがたい孤独をもたらした。

________________________________________

オルビス:静かに“後ろに下がる”

「千景さま……守れました。でも、それでも、わたしは“世界”から拒まれてしまったみたい……」

「いいのよ、オルビス。世界がいつか、

“恐れずに理解する日”が来るまで、私たちは“未来を背負い続ける”だけ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ