友人関係
九すばる。
私の可愛い娘の友人で、不幸にも閉鎖的な【田舎】で妖怪の生贄になっていた子供。
妻と娘たち以外は道に生えている雑草程に興味がないので本来は助けるつもりなど露程も無かったのだけれど、「友人に死なれたら寝覚めが悪い」と娘が言った。
それは大変だ、娘には快適に人生を謳歌して貰わねば困る。
妻の仏壇に手を合わせ、公共機関を使うのももどかしいので丁度ウチの前でどんちゃん騒ぎをしていた百鬼夜行の朧車を捕まえて
「とっとと指定した場所に私を連れて行きなさい、5分で」
と言ったら快く朧車は引き受けてくれました。
『葵様は無茶振りがすぎる...。指定の場所までは朧車を飛ばしても15分は掛かるぞ...』
『しかしだ、5分で着かなければ我らの命は無いぞ...』
『前の生でもそうだったが、身内の、特に可愛がっている子供が関わると腹の黒さが、なあ...』
『おぼろ、大丈夫?5分でつけそ?』
『死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない((ry』
百鬼どもが騒がしいですが、妖怪の分際で陰陽師の役に立てるのだからもし不平不満の類ならば後で締め上げれば良いだけ。
娘の憂いを祓うとしましょう。
【登場人物】
九すばる 24歳
○○さんを信仰する【田舎】に生まれた。
小5の時に例年通り参加した祭でうっかり○○さんと目が合ってしまった事から生贄として選ばれてしまう。
悩みを聞いた大学時代の友人に助けて貰う事になる。
如月卯月 25歳
すばるが都会で出会った友人。あだ名はうーやん。
もう1人の友人からは「オカルト好き」と呼ばれているが好きなワケではなく父親の役に立とうと幼少期から民俗学を研究した結果。
父親ゆずりの祓いの力を持つ。
祓い道具の大鎌は子供の頃に読んだ某死神代行漫画の影響であり、得意技は「お祓い(物理)」である
松原正樹 24歳
すばるが都会で出会った友人。
オカルトには多少興味はあるものの懐疑的。
如月葵 年齢不詳
卯月の父親。娘たちが物心着く前に亡くなった妻を今でも深く愛している。娘たちの事は目に入れても痛くない程可愛がるが、妻と娘以外は雑草程の興味しかない。
前世は大陰陽師安倍晴明。前世から引き継いだ祓いの力を使って陰陽師として生計を立てる...のは現代社会では難しいので普段は教師として働いている。
○○さん
すばるの故郷で神として信仰されている存在。
しかし、実態はそれなりに強い力を持つ妖怪でそのむかしは村人たちを見境なく食べていたが「生簀から食い物が無くなるのは困る」と思い直し、1年に2度、村人の誰か1人を食べる事にした。
前回の娘は○○さんを封じた巫女の末裔で忌み地と呼ばれる◆◆で死ぬ事で数十年にわたり○○さんの封印をより強固にしていた。