表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/30

訪問者がやって来た

 暗殺未遂から数日後、今日も今日とてバージョン作りに励んでいると玄関を叩く音が聞こえた。


「はい、どちら様ですか?て、エリックじゃない」


「ミラーゼ久しぶり、元気そうでなによりだ」


 彼は錬金術師仲間のエリック、貴族学園の同級生で密かに錬金術サークルを作っていた同士だ。


「これ、この間送ってくれたポーションの鑑定結果だ、事務員に頼まれた」


 そう言って封筒を渡してくれた。


「ありがとうね、良かったら中にどうぞ」


 心許せる友達の訪問に嬉しくなり私はエリックを家の中に入れた。


「もしかしてポーション作ってた? 邪魔だったか?」


「いいえ、ちょうど一息入れようと思っていたから」


 私はエリックに紅茶を出した。


「あんまり落ち込んでないみたいだな、安心したよ」


「えぇ、面倒な事から解放されたから充実した日々を送っているわ」


「だろうな、婚約破棄言い渡された時、笑いを我慢しているのが見え見えだったぞ」


「あら、抑えてなかった? 表情は変えない様にしていたんだけど?」


「わかるやつにはわかるよ」


 そう言って笑うエリック、彼は男爵家の次男坊で家を支える為に錬金術師になった。


 タメ口なのは私から言い出した事、錬金術師協会で偶々出会って意気投合して学園内でも密かにサークルを作り腕を磨き上げた仲だ。


「お家の方はどう?」


「それが大変だったんだよ……」


「え? 何かあったの?」


「婚約破棄騒動の余波が家にも拡がったんだよ、お前の妹のハーレムに家の兄貴も入っていたみたいで……」


「え〜……」


 そういえば将来有望な令息に声をかけてる、て聞いた事があるような……。


「検査をしたら魅了にかかっていた事が発覚してね、両親は国に報告して兄貴は身柄が更迭されて療養施設行きだよ」


「それは大変な事に……、あれ?じゃあ妹が魅了持ちだという事がわかったの?」


「あぁ、そうみたいだよ。 まだ表沙汰にはなってないけどこれから大変な事になりそうだ」


 王妃様が動いたんだろうな、という事はすぐにわかった。


 エリックの耳にも届いている、という事はもう処分は確定しているのかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ