効果は抜群だったみたい
翌朝、玄関を開けて外を出てみると意外な光景が広がっていた。
「え~と……、何事?」
例のポーションをかけた所に野獣がひっくり返っていた。
まぁ、それは想像ついたし食料が取れてラッキー!と思う程度だ。
ただ、その中に紛れて黒尽くめの男達も倒れていた。
目元しかわからないが明らかに顔色が悪く意識を失っている。
「この格好は……、確か国の暗部組織よね、という事は王家に頼まれて私を殺しに来た?」
浮かぶのは王太子と元妹の顔、追放したものは良い物の多分、念には念を入れて私を殺そうと動いたのか、もしくは最初からその計画だったのか……。
私、そんなに憎まれるような事したかしら?
どちらかと言うとあえて避けて来てましたけど?
「まぁ向こうがその気ならこちらもやる事はやりますけど?」
私は通信用水晶で『ある人物』に連絡した。
「……という訳で暗殺者を送り込まれました」
『本当に申し訳無いわ、とりあえずそいつ等はコチラで処分するから転移させてちょうだい』
「わかりました、それで城の様子はどうですか?」
『こちらは特に変わりはしないわ。 まぁバカ二人には監視をつけさせてるけど婚約を了承してくれ、てうるさいのよ』
「許可は出してないんですね?」
『当たり前よ、あんなのを後継ぎにしたら国は崩壊するし他国から良い笑い者よ、王族の結婚がどれだけ重要な事か口を酸っぱくするほど言ってきたのに……、全く響いて無かったわね』
「一度魅了にかかったら無条件で言う事を聞くらしいので」
『まぁ、こうして手を出してきたからにはこちらも遠慮なく叩き潰す事ができるわ、貴女は引き続きそちらでのんびりしていなさい』
「ありがとうございます、王妃様」
私が連絡したのはこの国の王妃であり錬金術教会長であるレイチェル・ハーミルトン様だ。
その後、気絶状態の男達を縛り上げ転移魔法陣に起くとそのまま姿は消えた。