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幕間 小さな騒動

 ミラーゼが薬草の採取方法に頭を悩ませている頃、王城ではある問題が起こっていた。


「薬師が足りない、とはどういう事ですか?」


「はぁ……、過度な業務が原因で体調を崩す者が続出していまして」


「そんなに無茶な業務をしていたのか? 特に最近大きな事件も起こっていないし平和だと思っていたのだが」


 国王の質問に薬師科の長が冷や汗を掻きながら説明をする。


「実は一部の者が後輩や新人に対して無茶な命令をしていたみたいでして……、その中には私の息子もいたようで被害の報告が私の下には届いていなかった様なのです……。 誠に私の管理不届きで申し訳ありません……」


「そうか……、いつ有事が起こるかわからんし常に人は必要だ。 すぐに補充させよう」


「ありがとうございます、息子を含めた関わった者達は厳しい処分をしますので」


「自分の子供を裁く事は辛い事だがこれも長の役目だ」


「勿論わかっております」


「しかし、何故その事が判明したのだ? 私の下にはを報告が無かったが?」


「それが私の下に匿名で報告が証拠と共に届きました。 誰がやったかはなんとなくわかっているのですが」


「ほう、誰がやったのだ?」


「今年入った者ですが即戦力になりそうな者で期待をしておりましたが息子はそれが気に食わなかったみたいでして……、数ヶ月で辞表を提出しました。 その後に報告が上がったので多分彼女ではないか、と。 しかし、彼女は組織の枠には捕らわれない性格なので遅かれ早かれこうなるんではないか、と思っておりました」


「そんなに優秀な人物か……、惜しい人材だな」


「なんでもあのミラーゼ元公爵令嬢とも親しいそうでして……」


「ふむ……、やはり集まる所に人は集まるみたいだな……」



国王はそんな事を小声で呟いていた。  

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