土地神の御加護
翌日、畑予定地を見ると明らかに様子が変わっていた。
土の感触が乾いた感じから少し湿った感じになっていた。
これは土に水分が来ている証拠だ。
『どう? 変化はあったでしょ?』
「はい、これで薬草畑が作れそうです」
『良かったよ、村が発展するのは僕も嬉しいからね。 困った事があったらなんでも言ってね、喜んで協力するよ』
ニコッと笑うイオル様の可愛さにドキッとしてしまった。
リーズも可愛いけどイオル様は幼い男の子の可愛さがあって親心をくすぐってしまう。
いやいや、イオル様は神様で私より歳上なんだから!と自分を抑えておく。
とにかく畑の下地は出来たので耕して土を柔らかくする。
鍬を振りかざし土を掘り起こしていくと柔らかくサクサクッといける。
農作業を元公爵令嬢が出来るのか、と思われるがそこはノープロブレムだ。
なんせ公爵家では相手がいなくて土いじりを趣味にしていたんだから。
公爵家の庭の一部を管理していたのは私で他のお客様が来た時、私が管理している所だけ褒められたのは自慢である。
「ふぅ〜、こんな感じでいいかしら」
私は汗を拭きながら畑を見回した。
うん、だいぶ畑っぽくなってきた。
「次は薬草の種を植えれば良いんだけど……」
『森にある薬草を植え替えてみれば? 土は同じだし上手くいくかもよ?』
「その薬草の場所がわからないんですよ」
そう、薬草の生息地は森の奥とか山の奥とかにあるし、特定の場所がわからないのだ。
更には場所が場所なので危険が付き物だったりする。
エリックに頼んで誰か助っ人を頼むかそれともギルドに依頼をするか……。




