薬草畑を作ろう
「そろそろ薬草を育てよう、と思ってる」
「薬草かぁ……、ポーション作りにはかかせないもんな」
エリックとそんな事を話していた。
薬草でポーションを作ればもっと良い効果が出る。
勿論、今も薬草を採取はしているんだけど毎回採れる訳では無い。
やはり定期的に薬草を採るには人工的に栽培した方が手っ取り早いのだ。
ただ薬草畑を作るのは条件がある。
まず環境、豊かな大地と新鮮な水が必要になってくる。
そして薬草の種、これが一番大事になってくる。
なんせ薬草自体が希少価値が高くて種を買うのに一苦労だったりする。
普通に生えている薬草を植え替えれば良いんじゃないか、という声もあるけどこれが上手くいかない。
土を変えてしまうと枯れてしまうからだ。
「だからこそ、この場所を選んだんだけどね」
「なるほど、環境に関しては問題無いよな、ただ土は少し改良が必要になってくるな、後水を引かないといけないし……、結構金がかかりそうだな」
「そこが問題なのよねぇ……」
う〜ん、先行きが全く見えない、けど次のステップの為には進むしかない。
「とりあえず畑の規模はこれぐらいで良いわね」
私は木の棒で家近くの空いた土地にカリカリと枠を書いた。
「水を引くにはあっちの川から入れるのか……、ちょっと距離があるわね」
問題点の1つは水を引く、というのがある。
水を引くには水路を作らなきゃいけなくなるけど距離があるから結構な物を作らなきゃいけなくなる。
「井戸があれば良いんだけど……、ん、あれって……」
ふと外れにボロボロになっている石の塊みたいなのを見つけた。
「やっぱり……、井戸の跡だわ」
石の塊の正体は井戸だった。
井戸がある、という事は水脈が近くにあるかもしれない。
「まずは井戸を修復しないといけないわね」




