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錬金術師ミラーゼ

 私が錬金術師になったのは幼い頃の話、我が家に高名な錬金術師がやって来た事がきっかけだ。


 その方は父親に頼まれたらしくて数ヶ月別宅に滞在していた。


 私はその方から『貴女は錬金術師の素質がある』と言われ密かに弟子入りして錬金術の勉強をした。


 なんで素質があるかというと錬金術には魔力が必要になってくるんだけど私は人より魔力があるらしい。


 更には公爵令嬢なのでセンスがある、と言われた。


 公爵家での私の立ち位置は非常に微妙だった。


 両親は私より妹を溺愛して放置状態だったし使用人達からも相手にされない始末。


 その原因は錬金術師曰く妹にあるらしい。


 妹は持って生まれた魅了の力があり非常に危険、との事。


 そして私には通じないらしい。


 実はこの時、私を引き取って一緒に出ていかないか、と言われた。


 このまま公爵家にいても良くない事が降りかかる、との事。


 迷ったけど私はその誘いを断った。


「先生はこうなる事がわかっていたかも知れないわねぇ……」


 その錬金術師が去った後も私は独自で錬金術を勉強し国家資格も取得した。


 この時はただのミラーゼだったし名前なんてありふれていたから公爵令嬢で王太子の婚約者のメリーゼとは思われていない、一応変装していたし。


 きっと錬金術師もこうなる事を見越して私に教えてくれたのかもしれない。


「まずは拠点作りから始めますか」


 ボロボロの家屋の中からまともな物を選び、そこに荷物を起きポンと壁に手を置いた。


「修繕開始」


 そう唱えるとボロ家だった所があっという間に普通の家になった。


「ふむ、こんなものかしら?」


 まずは住む場所は出来たので安心した。


 荷物の中から私は通信用の水晶を取り出した。


「もしもし、聞こえますか?」


『はい、コチラ錬金術師教会です』


「メリーゼです、拠点を移動したので荷物をコチラに送ってもらえませんか?」


『了解しました、位置を確認しますね……、はい確認できました。荷物を送ります』


「よろしくお願いします」


 この国の錬金術師は協会に属している、と言っても殆どが個人事業主みたいなもので自由なのだ、というか変わり者が多いみたい。


 一応、連絡は取れるように通信用の水晶は携帯しているし錬金術師用の道具は預かって貰っている。


 これでいつでも錬金術師として活動できる。   

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