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幕間 王妃3

 王妃ミゼルは城内にある1室にいた。


 ここは特別な部屋であり限定された者しか入れない部屋である。


 そして、現在のこの部屋の住人であるイメリア・コンセレイソンはベッドで寝たきり状態になっていた。


 この部屋に来てから徐々に体調を崩し今では食事も喉が通らなく意識も朦朧、チヤホヤされていた可愛さの面影は無くなっていた。


「イメリア・コンセレイソン、貴女は何故こうなったか理解出来ていますか? 返事は出来ないのはわかっているから一方的に話させて貰うわ」


 ミゼルは淡々とした口調で話し始めた。


「貴女は魅了の力を使い自分の親や周囲の人間を操り姉であるミラーゼ・コンセレイソンを追いつめようとした。 更には王家の人間にも魅了を使いこの国を乗っ取ろうとした。 これは立派な不敬罪であり国家転覆罪にもあたるわ」


 ミゼルがそう言うとイメリアは首をフルフルと振った。


「自覚は無かったのね、でも貴女は自分が異常だって気づけたはずよ、無条件で愛されるなんてあるわけないでしょ、貴女は特別だと思っていた? ある意味特別で危険な人物ね」


 ミゼルははぁと溜息を吐いた。


「貴女のやった事は多くの人を狂わせた、その責任はその命を持って償ってもらうわ。 貴女はこの部屋に来てから毎日毒入りの食事を食べていたのよ。 それでこの状況になっている。 その毒は特殊でね体には残らなくて死んだとしても病死扱いにされるわ」


 イメリアはガタガタと震えただでさえ悪い顔も悪くなっていた。


「なんでこんな事をしたかというと、魅了の唯一の解き方が術者の死なのよ、だけど死と同時に解けるけどかかっていた時の記憶も残ってしまうから発狂して自ら命を絶つ者もいる。だから徐々に弱らせてなるべく影響が出ないようにしているのよ、わかる?貴女がやった事はそれだけ多大な迷惑をかけているのよ。まぁ1番の被害者はミラーゼだけどあの子にとっては良かったかもしれないわね。 ミラーゼは錬金術師としての腕を持っているから1人で生活していけるわ」


 イメリアは泣きそうになっている。


「貴女の命は後数日よ、生まれ変わるのであれば今度は人に迷惑をかけない真っ当な人生を歩みなさい」


 その言葉を最後にしてミゼルは部屋を去った。


 それから1週間後、イメリア・コンセレイソンは息を引き取った。


 その遺体は無縁墓地に葬られた。


 その時、何故か彼女の両目だけは無くなっていた。 

 


 

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