幕間 王の決意
ここは城内にある会議室、今気まずい空気が漂っていた。
「……という訳で公爵よ、お主と妻は長年魅了の術にかかっておったのだ。 これは紛れない事実である」
「ま、まさか……、私が実の娘に洗脳されていたとは……」
話し合いをしているのは国王とミラーゼの実父である公爵である。
なぜ、話し会いをしているか、と言えば勿論今回の婚約破棄の件である。
実は最初は話し合いが出来る具合ではなかった。
なんせ本人達は魅了にかかっている、とは思っていないしかかった状態で話し合いをしても意見は平行線のままだった。
では、何故現在こうして話し合いをしているのか?
理由は簡単で魅了が解かれつつあるのだ。
ミラーゼが追放された直後、ミラーゼの妹イメリアは王妃に相応しいかどうか試験をする、とミゼルから言われ城内の一室にいる。
しかし、その部屋はあらゆる魔術を防止する特殊な部屋で勿論城内での魅了の影響は無い。
更にイメリアの部屋には一歩も近づいてはならない、とのお達しを出したので魅了の被害者は今のところ出てはいない。
そして、漸く冷静になった所で話し合いの場が設けられたのだ。
「だが、今は私の話も受け入れられるだろう」
「……確かに今まではイメリアの事しか考えてこなかったのですが、ミラーゼの事も徐々にですが」
「本来に子供というのは別け隔て育ててはならんのだ。 どんな子供でも親にとっては子供は宝であり守らなければならないのだ。 しかし、ミラーゼ嬢はそんな親の愛も受けれなかったのだ」
王の言葉にグッと息を呑む公爵。
「私とて王子は大事な子供だ。 だが私はこの国の王だ、王として国を脅かすような者を放置しておく訳にはいかん」
「そ、それは……」
「イメリア・コンセレイソンは王家に対して魅了を使った、これは不敬罪に当たる、よって責任を取って処刑とする」
「しょ、処刑……」
「と言ってもすぐには死なせん。なんせ魅了の影響があるからな、毎日少量の毒を盛り体を弱らせて死んでもらう」
魅了は術者が死ねば解ける、という噂がある。
しかし、解けても記憶は残るので被害者達には激しい後悔と懺悔が残るそうで中には自ら命を絶つ者もいるらしい。
そんな事になってしまうと国は混乱してしまうので王はこの様な決断を下した、という。
「イ、イメリアはいつ亡くなるんでしょうか……」
「予定では1か月後にはこの世にはいなくなる、公爵よ、お主にも責任は取ってもらう事になるぞ」
「は、はい……、全ては私の管理不届きによる物、いかなる罰も受けさせていただきます」
「今回の魅了の件で被害を被った貴族から訴えが起こっている、真摯に答えよ、そしてコンセレイソン家は廃爵となり取り潰しとする」
「わ、わかりました……」
グッタリと項垂れる公爵。




