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幕間 王妃

 この国の王妃、ミゼル・クリストンは元々は貴族では無かった。


 そもそも彼女は平民で生活の為に錬金術を学んでいて王妃になる事なんてこれっぽっちも思っていなかった。


 そんな彼女の運命を大きく変えたのは20年前に国を襲った流行病だった。


 次々と死人が出るのを見た王族は国中の錬金術師や薬師達に特効薬を作成するよう命令した。


 そこで大きく貢献したのがミゼルだった。


 彼女は希少な薬草の栽培に成功、量産しポーションを作った。


 そのポーションはすぐに出回り流行病は収束した。


 ミゼルは功績を与えられ平民としては異例ながら宮廷錬金術師となった。


 更に当時の王子がミゼルに一目惚れをし熱烈にアプローチをした。


 平民と王子という普通ならば身分違いの愛だったがミゼルは国民の人気も高く王家としては申し分も無かった。


 またミゼルも王子の性格の良さに惚れたのもあり2人はあれよあれよと婚約した。


 勿論、婚約も一筋縄ではいかなかったが2人はハードルを越え結婚した。


 そして前王が退位を宣言し王子が即位しミゼルは王妃となった。


 しかし王妃となったミゼルは錬金術師である事も忘れてなかった。


 先の流行病の様な事がまた起こる可能性もあるので対策として国内にいる錬金術師達を束ねる教会を作った。


 そして時は経て、国王とミゼルの間には王子が生まれた。


 王子が6歳の時に同い年のミラーゼが婚約者となった。


 そのミラーゼがまさか錬金術師として入会してくるとは流石にミゼルは思っていなかった。


 そしてミラーゼの公爵家での扱いを知る事になる。


 ミラーゼの扱いを知ったミゼルはすぐに異常に気付いたが確たる証拠が無かった。


 更に時が経ち王子の様子がおかしい事に気がついた。


 ミラーゼに冷たい仕草を取るようになりミラーゼの妹といるようになった、と報告を受けた。


 これは大事になる前に対策を打たねばならない、と国王と相談した。


 このままではお互いにとって不幸な事になるかもしれない。


 最悪婚約の解消も覚悟していたのだが、自分達のいない時に王子は勝手にミラーゼを追放した。


 こうなっては一人息子であろうと公爵家であろうと国に仇なす者として扱わなければならない。


 ミゼルは非情な決断を下す事になる。


 

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