貴族社会は色々大騒ぎらしい
エリックの実家と契約した私は毎週ポーションを収めるようになった事で収入が入り生活に安定が出てきた。
何か買いたい物があればエリックに頼みポーションを収める時に代金引換で買ってきて貰うようにした。
おかげで1か月過ぎた頃には殺風景だった家は鮮やかになった。
公爵家にいた頃よりも鮮やかになっているのは皮肉である。
なんせ殆ど妹にお金を使っていたから私の物と言えば数少ない。
錬金術師として小遣い稼ぎをしなきゃドレスも買えない、てどれだけ不遇な日々を過ごしてきたのだろう。
「そういえば王太子様と妹はどうなったのかしら? 王妃様がなんとかする、と書いてあったけど……」
私が追放されてからだいぶ経過したけど王都の話は耳にしていない。
「王妃様も魅了にかかっていなければ良いんだけど、まぁ心配はないよね」
そんな私の元に王都の情報が入ってきたのは勿論エリックからである。
「今、お城は大変な事になってるらしい」
「やっぱり私の婚約破棄が原因?」
「そうみたいだけどミラーゼは全然悪くないよ、完全に王太子のせいだ」
「婚約の話がうまく行っていない、とか?」
「あぁ、王族の結婚って特殊で王家は勿論貴族の賛成が無いと成立出来ないだろ?」
「えぇ、婚約はできるけど結婚へのハードルは厳しいわ。でも魅了の力でなんとかなるんじゃないの?」
「ところがだ、王妃様が反対していて婚約さえも出来ない状態で固まっている状態だ。しかも勝手に婚約破棄したもんだから王太子は身分を剥奪される可能性が出てきた。 今、その処分待ちで幽閉されているそうだ」
流石は王妃様、ちゃんと動いてくれたみたいだ。
「それに原因も調べているみたいで近い内に真相が好評されるみたいだ。 公爵家も何らかの処分に受けるだろうし、家も含めて魅了のせいで被害を被った貴族全員で訴えた」
「訴え、と言ってもお父様はびくともしないんじゃないかしら?」
「そりゃ公爵家だからな、でもそれも将来の王族という保証があっての話だから、王家は静観を決め込んでいるみたいだ」
自分達に余計な火花が来ない様にする為か。
だとしたら王家の後ろ盾がない元実家は悲惨な事になるだろう。
賠償金だって塵も積もればなんとやら、でとんでもない額になるだろうし。
これから大変な事になるだろうなぁ……。




