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13 フランシスとジョルジ―

昨日、大急ぎでアップしたら、一話飛ばしていたようです。

申し訳ないです。

改めて、13話上げました。

13 フランシスとジョルジ―


 子どもたちがそれぞれの持ち場へ移動すると、アレックスが声を掛けた。


「荷物はこっちに置いて、着替えはここ、洗面具はこっち。おいおい、お前たちまでくっついてきたら、掃除する人がいなくなるだろ?あとでジゼル先生に頼んで、ジョルジュと遊ぶ機会を作ってもらうから、今は自分の仕事をしっかりな。」

「えへへ。ジョルジュ、後で一緒に遊ぼうね。」

「後でね。」

「あ、ああ。」

「よし。じゃあ、B班は私と一緒に畑に向かうぞ。」


 人懐っこい子どもたちに、ジョルジュは面食らってばかりだった。ガブリエルは敢えてジョルジュの傍から離れ、アレックスに対応を任せた。


「ジョルジ―は大きいからベッドメイクをしてね。僕は手が届かないから床を磨くよ。」

「ベッドメイク?そんなの簡単だろ?」


 傍に居たのは、歓迎の草花を渡したフランシスだった。アレックスが他の子どもに指示を出している間も、自らなにかしようと動きだす。フランシスはまだ4歳だ。大きなバケツを抱えて、外の井戸まで水汲みに出かけて行った。

 ジョルジュはそれを見送ると、さっと手をあげて呟く。


「オーガニーズィー!」


 シーツはぴんと張り、クッションもふんわりと落ち着いた。水汲みを終えたフランシスは、魔法を知らない。部屋に入るなり、そのきれいなベッドメイクに驚いていた。そして、自分はぞうきんを絞ると、せっせと床磨きを始めた。


「すごいなぁ。僕も、ジョルジ―みたいにパッときれいにできたらいいんだけどなぁ。」


 そう言いながら四つん這いになって隅々まできれいに磨いていく。


「モップは使わないのか?」

「モップは僕には大きすぎて使いにくいんだ。」


 小さな体で、懸命に床を磨くフランシスをじっと見ているだけでは手持無沙汰になったジョルジュは、傍にあったモップを取り出して、バケツに突っ込むと、そのまま床にこすりつけた。


「ダメだよ、床がびしょびしょになっちゃう!モップを使うならちゃんと絞らなきゃ。」

「え? こうか?」

「こうやるんだ。そうすると、使いやすいよ。」


 フランシスが小さな手でモップを絞ると、ジョルジュに手渡してきた。ジョルジュはそれを使って、びしょびしょになった床を磨く。さほど汚れているように見えなかった床が、モップを動かすたびに、綺麗になっていく。


「おい、モップが汚れて来たぞ。取り替えてくれ。」

「取り替えるんじゃなくて、洗うんだよ。バケツの水に突っ込んで汚れをごしごし擦ってみてよ。」

「俺がやるのか?」

「そうだよ。僕もぞうきんは自分で洗う。見てて!」


 フランシスはバケツにぞうきんを入れると、ごしごし洗い出した。真っ黒になっていたぞうきんはあっという間に白くなった。ジョルジュは見よう見まねでモップをこすると、それなりにきれいになっていく。

 そこに、アレックスが戻ってきた。


「あれ、もうこの部屋の掃除は終わったんだね!」

「そうだよ。ジョルジ―と一緒にやったんだ!」

「そうか、よかったな。でも、ジョルジ―じゃなくて、ジョルジュだよ。あれ、この辺り、まだ汚れが残っているぞ。もう少し丁寧にやってくれよ。」


 悪びれるでもなくアレックスが言うと、むっとしたジョルジュが声をあげた。


「掃除はちゃんとしたぞ。」

「うん、そうみたいだね。だけど、ちゃんときれいになっていないと、意味がないだろ?こちら側はこんなにきれいになっているのに、まだ途中だった?」

「あ、ああ。途中だ。これから仕上げをするんだ。」


 ジョルジュは、洗って片付けようとしていたモップを持ちなおし、黙々と磨き始めた。


「お疲れ。もう少しで自由時間になるから、また声を掛けるよ。」


 アレックスはそう言うと、他の部屋に行ってしまった。


「ねえ、ジョルジ―。こうやって磨いてみたら?」

「俺に四つん這いになれっていうのか?」

「そうだよ。こうやって磨いていると、ちゃんと汚れているところが分かるから、ピカピカに磨けるんだよ。」


 王宮内であれば、側近たちがぞっとするような場面だが、幼いフランシスには通用しない。モップを持ったまま突っ立っていたら、フランシスがさっさと床を磨きだした。しかたなく、ジョルジュもぞうきんを絞って、磨き始める。顔の位置が下がると、とたんに汚れが良く分るようになった。そして二人が黙々と磨いていると、アレックスの呼ぶ声がした。


ああ、もう。ほんとにごめんなさい。

続いて14話も上げます。

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