表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三択老師(さんたくろうし)

作者: ALBIREO

九里須磨州(くりすましゅう)の藩主・威武(いぶ)は無類の好色家であり

手篭めにした女性に高価な贈り物を貢ぐために多額の租税を民から搾り取っていた

これに憤りを覚えたロシアの破戒僧ジャック・ニコラスは義賊を名乗り

降り積もる雪をものともせずまるで空を飛ぶかのごとく

那由他(なゆた)の距離を駆ける名馬・徒那魁(となかい)に跨り

返り血を浴びればますます切れ味が鋭くなる妖刀・無礼禅刀(ぶれいぜんとう)

巧みに操っては威武の妾の邸宅に押し入り妾や財物を隠れ里の僧里(そうり)へ持ち去ったといわれる


この時にニコラスは妾に対して

「命を捨てるか、操を捨てて自分の妾になるか、財産を捨てて藩主の元へ帰るか

どれか一つだけ選ぶが良い」と問いただしたという


もともと妾たちは藩主からの貢物だけが目当てだったのでそのほとんどがニコラスの元に残ったが

中には密通の確約を取り付けて藩主の元へ戻ってからも藩主からの貢物を密かにニコラスの所へ

横流しする剛の者さえいたという


こうして力を蓄えたニコラスはさらに勢力を強めるために手に入れた財物を貧しい民たちに分け与えた。

民衆はニコラスの厚意に感謝して上記の逸話から取って彼の事を

「義賊・三択老師」と呼び、崇め奉った。

ニコラスはその後も義賊としての活動を順調に続け

九里須磨州は国力の低下によりロシアからの移民に制圧されてしまったという


近頃の世間の話題はクリスマス一色で妙齢の男性が如何にして意中の女性と共に一夜を過ごせるか、

また女性達が男性から如何にして高価なプレゼントをもらえるか等と会話の端々に

のぼらせているが、そのような楽しいクリスマスの裏には

現代人が忘れ去った恐ろしい意味が隠されている事を賢明なる読者諸兄は決して忘れてはならない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ